滋賀県議会 > 2021-02-22 >
令和 3年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月22日-03号

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  1. 滋賀県議会 2021-02-22
    令和 3年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月22日-03号


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    最終取得日: 2023-05-14
    令和 3年 2月定例会議(第24号〜第32号)−02月22日-03号令和 3年 2月定例会議(第24号〜第32号)                 令和3年2月定例会議会議録(第26号)                                        令和3年2月22日(月曜日)           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 議事日程 第3号                                         令和3年2月22日(月)                                         午 前 10 時 開 議  第1 議第1号から議第44号まで(令和3年度滋賀県一般会計予算ほか43件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問           ────────────────────────────── 本日の会議に付した事件  第1 日程第1の件           ────────────────────────────── 会議に出席した議員(42名)    1番   井  狩  辰  也       2番   本  田  秀  樹    3番   柴  田  清  行       4番   重  田     剛    5番   白  井  幸  則       6番   村  上  元  庸    7番   清  水  ひ と み       8番   河  井  昭  成    9番   佐  口  佳  恵       10番   小  川  泰  江
       11番   黄 野 瀬  明  子       12番   松  本  利  寛    13番   杉  本  敏  隆       14番   田  中  松 太 郎    15番   角  田  航  也       16番   塚  本  茂  樹    17番   山  本     正       18番   大  橋  通  伸    19番   駒  井  千  代       20番   中  村  才 次 郎    21番   桑  野     仁       22番   周  防  清  二    23番   海  東  英  和       24番   加  藤  誠  一    25番   竹  村     健       27番   目  片  信  悟    28番   有  村  國  俊       29番   大  野  和 三 郎    30番   岩  佐  弘  明       31番   富  田  博  明    32番   細  江  正  人       34番   川  島  隆  二    35番   奥  村  芳  正       36番   木  沢  成  人    37番   清  水  鉄  次       38番   冨  波  義  明    39番   江  畑  弥 八 郎       40番   成  田  政  隆    41番   九  里     学       43番   今  江  政  彦    44番   中  沢  啓  子       45番   節  木  三 千 代           ────────────────────────────── 会議に欠席した議員(なし)           ────────────────────────────── 会議に出席した説明員               知事              三 日 月  大  造               教育長             福  永  忠  克               副知事             西  嶋  栄  治               副知事             中  條  絵  里               知事公室長           水  上  敏  彦               総合企画部長          廣  脇  正  機               総務部長            江  島  宏  治               文化スポーツ部長        中  嶋     実               琵琶湖環境部長         石  河  康  久               健康医療福祉部長        川  崎  辰  己               商工観光労働部長        森  中  高  史               農政水産部長          西  川  忠  雄               土木交通部長          吉  田  秀  範               病院事業庁長          宮  川  正  和           ────────────────────────────── 議場に出席した事務局職員               事務局長            西  出  佳  弘               議事課長            山  本  昌  男               議事課課長補佐         瀬  川  進  一           ──────────────────────────────   午前10時 開議 ○議長(細江正人) これより本日の会議を開きます。  直ちに日程に入ります。    ──────────────── △議第1号から議第44号まで(令和3年度滋賀県一般会計予算ほか43件)の各議案に対する質疑ならびに一般質問 ○議長(細江正人) 日程第1、議第1号から議第44号までの各議案に対する質疑ならびに一般質問を行います。  本日は、質疑ならびに一般質問であります。  発言通告書が提出されておりますので、順次これを許します。  まず、10番小川泰江議員の発言を許します。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇、拍手)皆さん、おはようございます。  初めてのトップバッターということで、なかなか緊張しております。思わず議場にも15分前に入って、1人で待たせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、通告に従い、新型コロナウイルス感染症から県民の命と暮らしを守るためのさらなる対策についてお伺いいたします。  昨年3月5日に本県で初めての新型コロナウイルス感染症が確認されてから、もうすぐ1年となります。ちょうど令和2年2月定例会議の最中であり、予算特別委員会において、当時、1日当たり30件と関西広域連合の中でも格段に低かった衛生科学センターPCR検査能力を取り上げ、その拡充を訴えさせていただいたことを思い出します。  その後、機器導入や検査室の改築、人員体制整備等により、衛生科学センターの検査能力は210件と増強し、今議会には衛生科学センターの建て替えを前提とした在り方検討の予算も上程されています。代表質問の御答弁でも、行政検査720件を含む最大3,800件のPCR検査が可能とあり、この間の様々な施策の成果が現れているところです。  まだまだ不明な点が多い新型コロナウイルスですが、このように、この1年で学んだこと、変化してきたこと、進んだことも多いと思います。  これら蓄積されてきた知見も参照しながら、現在のコロナ対策で、ここがまだ不十分ではないかという点を問わせていただきたいと思います。  滋賀県においては、新型コロナウイルスに感染された方は、これまで43名お亡くなりになられました。心よりの御冥福をお祈りいたします。  インフルエンザでもたくさんの方が亡くなっているということをおっしゃる方もいらっしゃいますが、現状、コロナに感染して亡くなられる場合は、家族は面会も臨終に立ち会うこともできず、1人で最期のときを迎えることになります。  御遺族は、葬儀やお骨を拾うこともできず、遺骨を玄関先で受け取るのみという状況です。亡くなられる方も御遺族もさぞ無念でやりきれない思いであろうと心が痛みます。  これ以上、そんな思いでコロナでお亡くなりになられる方、また、御遺族を増やさないためという思いを込めて、まず1点目は、高齢者や持病のある方など重症化リスクの高い方たちをいかに感染から守り抜くかという点について、問わせていただきます。  この項の1問目に、まず、亡くなられた方たちの年代について、健康医療福祉部長にお伺いいたします。以下、別途指名する以外は、健康医療福祉部長にお伺いいたします。 ○議長(細江正人) 10番小川泰江議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症患者で亡くなられた方は、昨日までで43名おられますが、年代別の内訳を申し上げますと、40代の方がお1人、60歳代の方がお1人、70歳代の方が13人、80歳代の方が16人、90歳代以上の方が12名となっております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、持病の有無についてはいかがでしょうか、お願いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症患者で亡くなられた方の持病の有無につきましては、43名中36名、約8割の方が高血圧、呼吸器疾患、心疾患、悪性腫瘍等の基礎疾患を持っておられました。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)また、現在6名の方が人工呼吸器等が必要な重症となっておられます。一日も早い御快癒をお祈りするばかりです。この重症の方たちの年代についても教えていただけるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 昨日時点で6名の方の重症患者がおられます。50代の方がお1人、70代の方がお2人、80代の方が3人となっております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  県内では、これまで42件、560名のクラスターが発生し、うち介護事業所は10件で153名、医療機関は10件で169名という状況です。亡くなられた方のうち、これらのクラスターに関連する方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  本県の医療機関や高齢者施設で発生しましたクラスターに関する患者のうち、亡くなられた方は昨日時点で25名おられます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)それでは、重症の方はいかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 昨日時点の重症の方6名のうち、クラスターに関連しておられる方はお2人でございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)これまで伺ってまいりましたように、亡くなられた方、重症の方共に医療機関ならびに高齢者施設クラスター関連という方が多いということが分かるかと思います。  この数字から見ても、医療体制の負荷の増大を防ぐ観点からも、高齢者施設や医療機関でのクラスターをいかに抑えるかが、コロナ対策として大変重要かつ効率的だと考えますが、見解をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  高齢者施設あるいは医療機関でのクラスターの発生によりましてお亡くなりになる方、重症化する方が多くなるということは事実でございます。  そのため、議員御指摘のとおり、それらの施設におきましてクラスターの発生を未然に防ぐこと、あるいは、発生したクラスターの拡大を抑えること、そのことが重要であると認識をいたしております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)それでは、その対策として、滋賀県では現在どのような取組を行っておられるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  高齢者施設や医療機関でクラスターを発生させないように、昨年8月、各施設に対して通知を行っております。  高齢者施設では、まずはウイルスを持ち込まないことが重要でございまして、マスクの着用、手指消毒などの標準予防策はもちろん、面会制限、あるいは関係者の出入りの制限、通所系のサービスの利用者の体温の測定、職員の体調不良時の休業の徹底、職員の私生活での感染防止の徹底など、感染予防に向けて各施設で御尽力をいただいております。  一方、医療機関では、感染患者に対する医療提供という役割も担っておりますので、院内での感染管理が重要となってまいります。平時からの院内感染発生に備えた体制整備、また、発生時におけるゾーニングなど、初期対応の在り方について周知を図りますとともに、各施設で御尽力を賜っております。  保健所におきましては、高齢者施設や医療機関で患者が認められた場合、迅速に濃厚接触者を特定、検査いたしますとともに、ゾーニングを行い、感染対策の確認および感染対策の強化に向けた助言などを行っているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)この新型コロナウイルス感染症は、発症の2日前から人にうつす可能性があるとも言われておりますので、なかなか発症者、体調の悪い方が認められた場合からの対策というのでは、防ぎ切れないのではないかと考えております。  ウイルスを施設内に持ち込まない対策として、今伺った範囲では、働いている方それぞれの努力によるものが多いかと思いますが、それで十分とお考えでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 議員御指摘のとおり、今回の新型コロナウイルス感染症、無症状の方も多数おられますため、高齢者施設、医療施設いずれにおいても100%ウイルスを持ち込まないという対策を完全に実施するということは難しい面もございます。  このため、ウイルスを持ち込まないだけでなく、広げない対策というのも重要であると思っておりまして、3密の回避や職員の健康観察の徹底などについても注意喚起をいたしております。  加えて、高齢者施設に対しましては、感染予防対策が十分か、実際に感染管理認定看護師が施設に赴きまして、陽性者の隔離をするためのゾーニングなど、感染防止に係る知識の習得、防護具の着脱の研修なども行っているところでございます。  医療機関に対しましても、平時より感染管理認定看護師などによる専門家チームの派遣指導、あるいは、院内感染対策に関する相談窓口の設置運営、研修会の開催などを実施しておりまして、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)我が会派チームしが 県議団の代表質問においても述べさせていただきましたが、1月22日付で国から、医療機関・高齢者施設等における無症状者に対する検査方法について(要請)という事務連絡が来ています。高齢者施設等、感染が生じやすい場所、集団等に対する検査を積極的に実施するように求めるものです。  この通達を受けて、(資料掲示)全国の自治体での拡大検査の取組がスタートしています。主要な取組をまとめてみました。  例えば大阪府では、高齢者や障害者が入居する施設の職員に2週間に1度唾液での検査をスタートしています。京都府でもクラスターが複数発生している地域の高齢者や障害者施設の職員向けの検査が宇治市から始まっています。京都市においても、大規模検査にその時点での感染の有無しか分からないと否定的であったものが、高齢者施設全職員へのPCR検査を2月末から3月末まで実施することを決定しています。  緊急事態宣言が出されていない地域においても、例えば香川県では、介護施設全職員に唾液検査キットの配付、沖縄県では医療機関や介護施設職員への検査の実施などを行っております。  また、少し対象は変わりますが、鹿児島県では外国人材への帰国時のPCR検査への補助、鳥取県では県外の大学等を受験し、帰省した受験生とその付添人の自主検査への助成など、この一覧表以外でも、市単位で多くの自治体が取り組んでおられますし、地域のニーズに合わせた検査拡大が今、全国で進んでおります。  これらの財源は、一部を除いては、ほぼ地方創生臨時交付金等、国費が充てられています。  滋賀県でもこれまで計235億8,000万円余の地方創生臨時交付金が入り、300を超えるコロナ対策事業を実施してきました。今後、この検証も必要でしょうし、また、執行残も一定出てくると考えられます。これらの予算を県民の命と暮らしを守るためにどう活用するか、また、してきたのか、県の姿勢が問われていると考えます。
     現在、コロナ陽性者数は下げ止まりという状況で、緩めるとまたすぐに急増することも危惧されます。ここ数日で残念ながら医療機関や介護施設のクラスターも新たに発生しました。長引くコロナへの対応で緊張が続く医療や介護現場の疲弊は、察するに余りあるものがあります。  行政として、その方たちの負担感を少しでも減らし、ひいては県民の安心感につなげていく姿勢を見せることが必要ではないでしょうか。何よりも医療や介護の現場で頑張る方たちのエールになると思います。  以上を踏まえて、改めて健康医療福祉部長に問わせていただきます。重症化リスクの高い方たちへの感染を防ぐために、医療機関や高齢者施設の職員に対する検査拡大を早急に図るべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  医療機関や高齢者施設において、陽性者が発生いたしました場合には、積極的疫学調査を行いまして、濃厚接触者に対する検査はもとより、原則入所者および従事者全員を対象とした検査を行うこととしておりますほか、感染者が多数発生している地域などにおきましては、高齢者施設等の関係者を広く一斉定期に検査することとしております。  今回、新たに可能となりました検体プール検査法や無症状者に対する抗原簡易キットの使用も含めまして、検査対象者に合わせた検査方法により必要な検査を実施していきたいと考えております。  医療機関や高齢者施設の職員に対する検査を拡大し、実施をしていくには、検査分析あるいは検体採取に多くの人員を要することや、あるいは、感染拡大時に実施することが必要となることも考えて、全てを保健所で対応するということは、なかなか困難な場合もあろうかと思っております。  このことから、検体採取や検査について外部委託するなど、保健所職員等業務負担軽減を図りながら、実施できる方法を検討しているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)(資料掲示) ありがとうございます。今の御答弁、何をやるのか、また、やるのかやらないのかということも少し分かりにくいかと思いますので、こちらの図を用意させていただきました。  これは2月12日の新型コロナウイルス感染症対策協議会で示された資料です。これに沿っているものと理解し、具体的な内容について伺いたいと思います。主にこの下のピンクで囲われているこの部分に関することについて伺いたいと思います。  今、検査手法を検討するということですが、具体的にどのような検討を進めておられるのか、もう少し詳しくお伺いしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ただいまお答えしましたとおり、感染拡大により一斉の定期の検査を実施する場合、保健所の負担軽減を図る必要があると考えておりますので、多数の検体の検査を外部委託により実施できるよう、契約の手続を進めているところでございます。  検体採取につきましても、保健所の負担を軽減できるよう、唾液によるPCR検査の実施を考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  今のお話ですと、財源について少しお伺いしたいと思いますが、手法として行政検査で行うものと、また、他県の例のように地方創生交付金の活用をするというパターンがあるかと思いますが、滋賀県においては現状どのようなことを考えておられるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  現在、県が実施しております検査は、新型コロナウイルス感染症の陽性者を発見し、隔離することで感染拡大防止を図るために行っておりまして、行政検査として実施をいたしております。  ただいまお答えしました感染者が多数発生している地域での調査に関しましては、積極的疫学調査が十分に実施できなくなるおそれもあります。また、感染経路不明な陽性者が多く発生することも想定されます。そのために、一斉定期に検査を行うことで、感染者を把握する必要がある場合があるということで準備をいたしておりまして、この場合も行政検査として実施をするというふうに考えておりまして、経費的には2分の1は国が負担するということになると思っております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)行政検査ということで確認させていただきました。  そして、最近は、(現物提示)県内のドラッグストアでもこのような検査キットが市販もされています。今、部長の御答弁でも少し触れられましたが、国の通達でも簡易なこういった抗原検査キットの配付やプール方式ということも示されているかと思います。こちらについて、もう少しやっぱり検討する必要があるのではないかと考えますが、見解を伺いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  現在承認されております抗原の簡易キットにつきましては、鼻腔拭い液や鼻咽頭拭い液による検査となりますので、対象施設に医師等を派遣して採取をしていただく必要があると考えております。  また、検体プール検査法につきましては、御承知のとおり、複数の検体を混合して同時に検査することで、検査時間、費用が効率化される長所があります一方で、個別検体を用いた検査と比較しまして、感度あるいは特異度、これは陰性を正しく陰性と判定する確率でございますが、それらが下がるというような短所もございます。  検体プール検査法につきましては、また陽性率が高い集団においては再検査頻度が増加するため、効率的ではない場合がございまして、陽性率1%から10%未満の集団がその対象であるというふうにされているところでございます。  検査の手法、特性を把握した上で、どのような形でやるのがいいのか考えていきたいと思っております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  例えば東京や埼玉の例のように、現段階で、現段階でです、滋賀県として厚労省の薬事承認を受けた検査キット高齢者施設の従業員に提供した場合、それは行政検査として、これは私、国の全額負担と理解をしておりますが、これに当たるかどうかお伺いしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 今、御指摘いただいた他府県の例については、私も十分存じ上げておりませんが、行政検査としてやる場合は、財源は2分の1が国の負担、2分の1は県の負担というふうに理解しています。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  私の持っております資料によると、2分の1は国の負担で、後にその2分の1分を交付金で手当てするということで、国の通達の中にはありましたので、もう少しその点詳しく確認させていただけるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 議員がただいま紹介いただいた国の通知は、1月22日付の通知のことだと承知します。その6ページに費用のことが書かれておりまして、ただいま申し上げましたとおり、2分の1が国の負担であると。残り2分の1は県の負担ですが、ただ、残り2分の1の地方負担については、いわゆる新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を算定する際の基礎数値として使うということでありまして、交付金を直接充てることは許されていないというふうに考えています。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)見解、いろいろあるかと思いますが、一応交付金の中に算定されて、県の負担はないという理解だと、他府県に関しても考えておりますが、少し、ちょっとこの点について一旦置かせていただきまして、今の1月22日の国の通達でも、費用については十分な財源を確保しているので、必要な検査は広く実施していただくようお願いすると書いてあります。  財源負担も、私の理解では、なく、保健所の負担の心配も、例えば検査キットの配付など外部委託する場合はありません。検査の拡大を実施する方法を国が提示して、求めているのに、なぜ現段階で実施しようとされていないのか、お伺いしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  本県の現状としましては、積極的疫学調査を実施いたしますとともに、高齢者施設等の入所者または介護従事者等で発熱等の症状を有する者につきましては、検査につなげておりまして、その結果、陽性が判明した場合、当該施設の入所者および従事者全員に対して原則の検査を行うということで、感染拡大防止を図れております。現段階で一斉定期の大規模なスクリーニング検査を行うことが必要な状況ではないというふうに判断しています。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)現段階での必要性の認識の相違ということだと思います。  先ほどの図でも示されておりますが、この感染拡大地域においての一斉定期検査ということが、これは県のほうの出しておられるスキームとなっております。この感染拡大地域というのは、じゃあ、どういった基準になるのか、その判断指標をお示しいただけるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  感染拡大地域の判断基準につきましては、国においては示されておりませんが、やはり、新規の感染者数、あるいは感染経路の不明割合、あるいは、週単位の陽性者数の比較など地域の感染動向、あるいは、クラスターの発生状況等を保健所長が総合的に判断しまして、決めていくというふうに考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  最終的に現場の保健所の総合的判断というのは理解できますが、あまりに漠然としているのではないでしょうか。ある程度は誰にでも分かるような基礎的な基準を設けるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  ただいまお答えしました感染拡大地域の判断基準、議員も御指摘のとおり、総合的に判断する必要がございます。数値などによりまして明確に基準を設けるということは、なかなか困難であるというふうに思っております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)なかなかお伺いしていると、そのはっきりとした誰にも分かる客観的な指標がないと、総合的な判断の下、なかなか実施には至らないのではないかと、結局、というような危惧もあります。例えば人口比で県内、ほかの市町の2倍以上の感染者が出ている大津市、草津市や甲賀市、そしてクラスターが相次いでいる甲賀市や、また草津市でも医療機関、クラスター発生しました。この辺りだけでも、やっぱり、積極的に検査すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  甲賀市など複数のクラスターが発生している状況は、議員の御指摘のとおりでございますが、施設内で現在とどまっておりまして、施設外への感染拡大というのは見受けられない状況であると考えておりますので、地域の一斉の検査をする状況にはないのではないかと思っております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)また、感染拡大が前提ということなんですが、その感染拡大を抑制するためにも、その前段階で、これ以上一人の命も失わせないとの決意を持って、予防的な拡大検査を実施すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 先ほど答弁させていただきましたとおり、一斉定期の検査につきましては、感染者が多数発生している地域、あるいは、複数のクラスターが発生しているような場合に実施するということを考えております。  感染の予防という意味では、県内の全ての医療機関、高齢者施設において、入所施設のみならず、通所施設も含め、日々対応が必要になってくると考えております。そのため、関係の皆様には本当に日々努力をいただいており、感謝を申し上げたいと思うんですが、冒頭答弁をいたしましたとおり、ウイルスを持ち込まない、広げない対策を取っていくということが大切であると考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)今、感染者が多数発生している地域とおっしゃいました。この多数というのが分からないんだと思います。この感染者が多数発生している地域というのは、どのような地域であるのかお伺いしたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) すいません、先ほど御答弁させていただきましたとおり、新規感染者数あるいは感染経路の不明割合、あるいは週単位の陽性者数の比較など、その地域の感染動向を考えて判断したいと思います。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ちょっと堂々巡りになりますので、次に移らせていただきますが、第3波の感染拡大は収束に向かいつつあるかとは思います。しかし、ワクチン接種という出口も見え始めたのに、なかなかワクチンに関しては、今朝も供給が遅れるとの報道があったように、まだまだ未確定で不安要素も多く、滋賀でも確認された変異種の脅威も広がってきています。  必ず訪れると予測される第4波に向けて、医療体制や保健所の検査体制に少しでも余力の出てきた現段階において、ワクチンが行き渡るまでの間、予防的な対策を講じるというのは、将来負担を減らすという意味でも有効だと考えます。  県内の市町からもぜひとの要望をいただいております。ぜひとも引き続きの検討をお願いしたいと思います。  それでは、次に移らせていただきます。続いて、濃厚接触者への対応についてお伺いいたします。  コロナの厄介な点は、まだまだ不明な点が多く、突然の重症化や後遺症などへの不安があること、無症状でも感染力があり、発症前後が最も感染力が高いと言われること、そして、何より特効薬のない現段階では、罹患した場合、周囲に与える社会的な影響が大き過ぎるということだと言えます。  コロナ差別の問題も含め、コロナより人が怖い、そういう方も多いのではないでしょうか。  滋賀では、これまで2,384名の方の陽性が判明しました。その周辺には何倍もの濃厚接触者とされる方が存在し、様々困難な状況があったということは容易に推察されます。誰にとっても他人事ではありません。  まず、濃厚接触者の定義について確認させてください。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  国立感染症研究所の積極的疫学調査実施要領によりますと、濃厚接触者とは新型コロナウイルス感染症患者の感染可能期間において接触した方で、当該患者と同居している方、あるいは、手で触れられる距離、これは目安として1メートル程度でございますが、その距離で必要な感染予防策なく患者と15分以上接触があった方などについて、周辺の環境や接触の状況などから保健所が総合的に判断をするということになります。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。今おっしゃいました必要な感染予防策というのは、マスクということもあると理解をさせていただきます。  つまり、マスクをして必要な感染予防策を取っていれば、もしくは、15分以内で1メートル以上の距離を取っていれば、濃厚接触者には当たらないということですが、その理由ですね、それは何なんでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  感染対策をして15分以内もしくは、1メートル以上の距離を取っていれば、感染のリスクは低いと考えられるところでございます。ただ、そのことのみをもって濃厚接触者でないと判断するのではなく、保健所長が周辺の環境、接触の状況等を踏まえて総合的に判断をいたします。  この濃厚接触者の定義につきましては、世界保健機関──WHOのガイドラインに準じて定められておるものでありまして、高いエビデンスに基づいているものであるというふうに考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ありがとうございます。  それでは、濃厚接触者で検査結果が陰性であった方たちには、どういう要請をされていますでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  濃厚接触者には確定患者との最終接触日から14日間の健康観察の期間の間、健康状態について報告をいただくとともに、せきエチケットや手洗いを徹底し、常に健康状態に注意を払うようお願いをいたしております。  また、不要不急の外出はできる限り控え、やむを得ず移動する際にも、公共交通機関の利用は避けるとともに、マスクの着用や手指消毒などの感染予防策を取るようにお願いをしております。併せて、学校や会社等に行っておられた方については休んでいただくようにもお願いをいたしております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)例えば家族が感染して濃厚接触者となったが、検査で陰性が判明、この方は農家です。作物が育つのは待ってくれず、やむを得ず14日間の自宅待機中に、マスクをして、距離を取り、短時間で感染対策をして出荷場に行きたいと希望した場合、どのように指導されるでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  先ほど答弁いたしましたとおり、健康観察期間中は新型コロナウイルス感染症を発症する可能性がございますため、不要不急の外出はできる限り控えていただくようお願いをいたしております。  しかし、やむを得ず外出せざるを得ない場合については、感染対策を徹底の上、必要最小限の外出にとどめていただいておりますが、外出せざるを得ないかどうかについては、個別に事情を確認して対応を取っているところでございます。  議員がおっしゃった事例につきましては、感染拡大防止の観点から考えますと、作物の出荷という点でも基本的には自粛をしていただきたいというふうに考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)作物の出荷は不要不急ではないので、自粛してほしいという意味に取らせていただきました。この方にとっては、やっぱり、これは生きるすべというか、なりわいですよね。それに対して、実際に外出しないでくれというふうな判断を保健所はされたとも聞いております。それに対して、制限を加えると。先ほども感染対策をしていれば、リスクが低いということもおっしゃいました。この陰性になられた方が感染対策をしっかりとして、自分のなりわいのための外出をすることが、それは不要不急に当たらないから避けてくれ、リスクが低いのに、こういった要請をするということは、最初に伺いました濃厚接触者の定義とも矛盾するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  例えば先ほどの例で申し上げますと、出荷に関わる方全ての方が飛沫感染はもとより、接触感染も含め、感染予防策を徹底し、感染を確実に防止するというのは、難しい面があろうかと思っております。新型コロナウイルス感染症を発症する可能性のある濃厚接触者の方に対しましては、つきましては不要不急の外出を控えることをお願いしているわけでございまして、両者が矛盾しているということではないというふうに考えております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)今回の事例では、庁内の様々な部署にこの方問い合わせたそうです。陰性だから行ってもいいのではないかという返答が多かったそうです。それが普通の感覚だと思いますが、そういった周知ですね。そこまで駄目とおっしゃるなら、周知も庁内でも必要かと思いますが、どのようになっておられるのでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  濃厚接触となられた方に対しましては、特定次第、PCR検査の結果が陰性でありましても、外出の自粛を含め14日間の健康観察の必要性について、保健所から個別に説明をさせていただいております。  なお、積極的疫学調査によりまして濃厚接触者以外にも感染拡大防止をするため広く検査をしておりますが、検査対象となっても、濃厚接触者以外の方は感染しているリスクが低いことから、特に外出の自粛などは要請はいたしておりません。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)なかなか100%大丈夫とか、そういうのは難しいことも重々承知しておりますので、保健所も難しい判断をされていることと思います。でも、やっぱり、こういう社会的活動を制限されるのなら、御本人はじめ、誰もが納得できる説明と、やっぱり、その根拠ですね。それを示すべきではないでしょうか。先ほども国の基準とおっしゃっていますが、濃厚接触者に関する国の基準も様々変わってきております。こういった矛盾点とか実情にそぐわないということがあれば、国に対してもしっかりと意見を上げるべきではないかと思います。それが知見の集積だと考えますが、この点に関しては見解を伺いたいと思います。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  国の基準につきましては、研究機関等で得られた科学的知見において定められておりまして、濃厚接触者については新型コロナウイルス感染症に罹患している可能性が高く、14日間の潜伏期間内はほかの人に感染させるリスクがあるとされておりますことから、先ほどお答えしましたとおり、不要不急の外出は控えるようにお願いを申し上げております。本基準に基づきまして、引き続き対応させていただき、対象となる方には丁寧に説明し、協力をお願いしたいと思っております。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)それでは、少し参考までにお伺いしたいんですが、陰性になった濃厚接触者の方が、一旦陰性になった方がこの自宅待機中に陽性となり、そしてまた人に感染させてしまったという例はこれまでどれぐらいあるのでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) 濃厚接触の方で検査の結果、陰性と確認された方、その後陽性となった方、当然おられますが、その方が外出先でほかの方に感染を広げたというような事例につきましては、県が把握できる範囲では確認はされておりません。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)そういったことも含めまして、ぜひとも今後ともこの濃厚接触者の方々、誰にとっても他人事ではないかと思います。しっかりと御本人も納得するような説明と、できる限りのサポートをお願いしたいと思います。  この14日間の自宅待機をまじめに守ろうと思うと、食品や日用品の買物など、生活に必要な活動も制限されることになります。  濃厚接触者の方たちへのサポートは、どのようになっているのでしょうか。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  サポートとしては、例えば医療面のサポートで申し上げますと、濃厚接触者の方には毎日健康観察をお願いし、報告をいただいておりますが、発熱あるいは呼吸器症状などが出てきました場合には、必要に応じて保健所の調整の下、外来診療につなげておりますし、健康状態などで相談があれば、24時間体制で相談を受け付けているところでございます。  そのほか、食品、日用品の買物などへのサポートについては、現在、県では自宅療養者向けに食料支援を実施をいたしておりますが、濃厚接触者の方に対しては実施はいたしておりません。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)食料品、日用品の買物などに関しましては、県内の一部の市でも実施されているかと思います。なかなか今、市町、ワクチン接種に関して大変な状況だと思いますが、ぜひともそれが広がっていくように県としても働きかけていただけたらと思います。  家族や知人が感染しただけでもショックな上に、不便な生活を強いられることになる濃厚接触者の方たち、在宅療養の方の御家族は、療養期間終了後からさらに14日間という長期となります。ほとんどの方は、万が一を考えて一生懸命指導に従っておられると思います。まじめに守ろうとする人が不利益を被らないよう、納得できる説明とサポート体制、構築いただけるようお願いいたします。  次に、コロナ禍で深刻な打撃を受けている飲食店への支援について伺います。  滋賀県は、緊急事態宣言の対象とはなりませんでしたが、兵庫県、大阪府、京都府、東に岐阜県、愛知県に対して、緊急事態宣言は発出され、完全に挟まれた形となっています。特に飲食店においては、近隣府県への緊急事態宣言による自粛要請の影響を大きく受けていると言えます。  飲食店の多くから悲痛な声が届いており、支援を考えてもらいたいと先日も300店舗、2,000名を超える関係者の署名が商工観光労働部長の下に届けられたところです。その際、部長は、財源上厳しいとの見解を示された上で、知事に厳しい状況を伝えて、支援策を考えたい、会期中に追加の経済対策を提案できるよう準備すると答えられました。新聞報道でも、緊急的な追加提案を考えているとありましたが、検討内容についてお伺いしたいと思います。
    商工観光労働部長(森中高史) (登壇)お答えいたします。  代表質問で知事から答弁がありましたとおり、売上げ確保のために実施する取組に対しまして、補助率10分の9、最大50万円の支援策を本定例会議中に追加提案させていただき、今年度内には申請の受付を開始したいと考えております。  詳細につきましては、現在検討を進めているところでございますが、対象経費として、例えばテイクアウトやデリバリー、ウェブサイト構築や出店に際して必要な経費などを想定しているところでございます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)つまり、新たな取組に対して県から助成金を出すという、今の御答弁、意味だと理解いたします。  ということは、さらに頑張るところだけ補助するというようなふうにも捉えることができます。しかし、多くの小規模な飲食店さんは、これまで頑張って、頑張ってこのコロナ禍をしのいでこられました。この方たちにさらに新しい取組ができる余力が残っているとは思えません。その仕組みで本当に困っている事業者を救うことができるのか、疑念が生じます。署名提出の際、当事者の声として届けられたものは、新たな投資への補助ではなく、倒産を防ぐために困っている店に対する救済でした。売上げが8割減だ、廃業の危機に瀕している店が多い、苦境は緊急事態宣言下の他府県の店と変わらないということでありました。  売上げ確保のための取組に対してとありましたが、その仕組みで本当に困っている方に届く支援となるのか、商工観光労働部長の見解をお伺いいたします。 ◎商工観光労働部長(森中高史) お答えします。  外食産業の皆様から多数の署名を添えた要望を私自身も直接お受けするなど、飲食店の皆様などからの窮状を訴える声は私の下にもたくさんいただいているところでございます。  コロナ禍におきまして、非常に厳しい状況の中にあっても、売上げ向上に取り組まれる事業者様への支援は重要なことと思っております。  他方、議員御指摘のとおり、売上げが急減し、新たな取組の余力が残っていない事業者の皆様をどのように支援していくのかということも大切な視点であると考えております。  限られた財源の中で、また、国、県、市町がそれぞれ支援に取り組む中で、どのような工夫や対応ができるのか、事業者の皆様や関係団体、県議会などからいただいている様々な御意見を踏まえ、引き続き検討してまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)ぜひともよろしくお願いいたします。  それでは、最後に知事に伺います。この1年、未知のウイルスと向き合いながら試行錯誤で様々な施策に取り組んでこられました。やってもやらなくても批判される、どちらを選択しても批判される、本当に難しいかじ取りをされてきたことと推察いたします。  先日の大戸川ダムに関する代表質問において、知事は、「ダムに限らず、県民の命と暮らしを守るために最善を尽くすことが私の責任だ」と高らかに宣言をされました。  しかし、事コロナ対策においては、なかなかその決意が伝わってこない、歯切れが悪いのではないか、そう感じているのは、私だけではないと思います。そのことが県民の不安と不満をより増しているのではないでしょうか。  コロナから県民の命と暮らしをいかに守り抜くか、知事の考えをお聞かせいただけるでしょうか。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  未知の新型コロナウイルス感染症との闘いと表現なさいましたけれども、その感染症の拡大防止は、行政だけで取り組めるものではなく、県民の皆様一人一人がお互いを思いやりながら、しっかりと感染対策を取り、お互いにかからない、うつさないということが肝要だと考えます。  新型コロナウイルス感染症は、人と人とのつながりや私たちの大切な社会をも分断し、人々の身体的な健康だけでなく、精神的な健康、すなわち心にも影響を与え、社会、経済、文化活動といった人々の暮らしにも大きな影響を与えてまいりました。  4月の緊急事態宣言下においては、施設の使用制限や不要不急の外出自粛の要請などの措置により、接触機会が低減され、陽性者数の減少につながるなどの効果が一定あった一方で、人とモノの動きが停滞し、社会、経済、文化活動に大きな影響が生じてしまった面もあると捉えております。  その後の感染拡大期におきましては、経験から得た教訓を踏まえ、感染拡大を防ぎながら、社会、経済、文化活動を持続させるべく、日々悩み抜き、状況に応じた最善と考えられる判断をしてきたつもりでございます。  県民の命と暮らしを守るために最善を尽くすことは、これはコロナ対策においても、私また私たちの使命であると考えております。引き続き必要な情報を県民の皆様にできるだけ分かりやすく、また繰り返し、粘り強くお伝えしながら、県民の皆様と一緒になって感染拡大防止に取り組んでまいりたいと存じます。 ◆10番(小川泰江議員) (登壇)知事のほうからも、今、取り組んできたつもりであるということをおっしゃいました。その、つもりという部分が、なかなか伝わりにくかったり、見えにくくなっているのかなという気はいたします。ぜひともしっかりとそのことを知事自身がまた発信いただければと思いますし、知事は今後生きるために死について考えるということをおっしゃいまして、来月、死生懇話会を開催されます。中段でも述べましたが、コロナで感染して亡くなられる場合は、親しい方の誰にもみとられず、またみとることもできず、お1人で旅立たれます。こんな死は、やっぱり、これ以上あってはならないと思います。人生の最期をこんな無念な思いで迎える方、そして、残される方がこれ以上、一人でも出ないように、思いを持って施策を進めていただければと期待をし、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、10番小川泰江議員の質問を終了いたします。  次に、27番目片信悟議員の発言を許します。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇、拍手)それでは、発言通告に従い、大きく2問、流域住民の命を守るための大戸川ダム建設推進について、そして、脱炭素社会推進と滋賀県のエネルギービジョンについて、分割方式にてお伺いをいたします。  それでは、まず初めに、流域住民の命と暮らしを守るための大戸川ダム建設推進について伺います。  近年、全国各地で多発する豪雨や台風によって、私たちの想像をはるかに超える、まさに甚大な被害をもたらすことが少なくありません。こうした状況の中、本当につらく、悲しく、残念なことに、毎年、大きな災害が起こるたびに失われる命があります。そしてまた、たとえ命が辛うじて助かったとしても、被災された皆さんは、失意の中、復旧、復興に向け、落胆の中に力を振り絞って立ち上がろうとしておられます。誰一人として命を失わせない対策、そして、これまでから、みんなが大切にしてきた様々なものをなくさせない、そのために、なりふり構わず打てる手だてを、考えられる方策をと、この世界に生きる私たちは取り組んできたはずであります。  幼い子供の命を守るための交通事故対策、高齢者や基礎疾患のある方が新型コロナウイルス感染症にかからないように、また、かかっても万全の医療体制で命を救うための感染症対策、商売に行き詰まっても、頑張れば希望が持てる商工政策と、あらゆる県民の命を守るために絶えず取り組んできております。  翻って、ダム問題はどうでしょうか。流域に住む住民の方々からすれば、度重なる豪雨や台風のたびに命の危険にさらされ、また、先祖から受け継いできた様々な大切なものが失われるのではないか、そうした不安や恐怖など、私たちは、その立場にない者からすれば計り知れないものがあるのではないでしょうか。  もちろん、ダムができれば、そうした心配は一切なくなるというものではありません。が、少なくとも、先ほど申し上げた打てる手だてを限りなく打つこともせずに、ダムを造っても一緒などと、政治に携わる者がそれを言っては、身も蓋もないのであります。  そして、事この大戸川ダムについては、凍結をする際にも、一定の治水効果があると検証されていることを考えれば、現状を鑑みたとき、これを推進することは決して県民益に反するとは到底思えないのであります。  加えて、人の命が関わる問題に費用対効果、また、度々議論にも出てまいりますが、優先順位などの理屈は全く相入れませんし、理解もできません。人命は、費用対効果で計るものなのか、命は最優先ではないのか、改めて私たちに対し問われていることではないでしょうか。  そうした状況の中、平成31年3月までに計3回、本県が行った大戸川治水に関する勉強会は、少なくとも県民の命を守るための貴重な機会であったと考えます。そして、そこから導き出された結論、まさに県民の命を第一に考え、県民の大切な財産を守るための大きな方向性であったことは、高く評価するものであります。改めて知事の高度な、また、賢明な御英断に心から感謝を申し上げる次第であります。  そうした中、これまでから建設事業進捗に大きな足かせとなっておりました4府県のスタンスについて、大きな変化が見られました。いち早く大戸川治水での勉強会を経て本県が建設推進に転じた後、本年1月29日には、大阪府の吉村知事に対し、大阪府河川整備審議会から大戸川ダムの大阪府域への治水効果についての答申が出され、その中で、評価のまとめとして、大戸川ダムは大阪府域において十分な治水効果があることが確認できたとされました。  また、京都府における淀川水系の河川整備に関する技術検討会におかれても、現状における評価として、「大戸川ダムは桂川など中上流部におけるさらなる河道改修を下流部の治水安全度を低下させることなく実施する上で必要とされており、平成25年台風18号によってその必要性が一層明確化したと評価できる。今後の気候変動の影響により、平成25年18号台風と同等以上の降雨の生起確率が高まることを考慮すれば、桂川のさらなる河道掘削と並行して大戸川ダムの整備に着手することの緊急性が高まっている。桂川の改修を切れ目なく実施するためにも、大戸川ダム本体工事に着手するための調査設計に取りかかる時期に来ている。」との提言がなされております。  このように、2008年に交わされた4府県知事合意については、当時合意された知事は、既にどなたもおられませんが、十数年がたち、当時とは大きく気候も変動する中、これらの検証結果から大きく状況が変わってきていると考えられます。  今後、河川整備計画の見直しに向けて、他の自治体の皆さんとどのように進めていかれるのか、知事に伺います。  また、まるで見えない力で議論をミスリードするかのように、こうした4府県の動向について導き出された結論が、結論ありきだ、だの、拙速だ、などの指摘があるようですが、この大戸川ダム建設計画が始まったときから様々に議論が尽くされ、今日まで進んできた歴史があり、その中で、今般、科学的根拠や知見に基づいて建設に向けて大きく前進したことは、地域住民のみならず、滋賀県民としても、県民の命を守る事業が進むことへの期待は高まるものと信じます。そもそもが、こうした指摘こそが恣意的に真っ当な議論をねじ曲げているように思います。  様々な考え方があるものの、こうして一定の方向性が見えてきたわけですから、次は、これを具体的にどのようなスケジュールで進めていくのか、これが重要であります。もちろん、本県だけで推し進められるものではありません。本県の立場や主張を国や関係自治体に対し、繰り返し、理解を求めるために、説明や要望することは大切であります。国の検討状況も含め、今後の見通しについて、知事に伺います。  また、先般、2月12日に、淀川水系の治水の在り方を議論する、国と関係6府県の調整会議が開催されました。当然のことながら、滋賀県民はもとより、京都府民、そして、大阪府民の命を何が何でも守らなければなりません。そのために、関係自治体が早急に諸課題について整理し、それをしっかり共有すること、まさに命を守る事業推進のために、この調整会議にも非常に大きな意味があると考えます。  そこで、もう少し具体的に、本県として何をどう主張されたのか、前々回の調整会議においては、本県の大戸川ダム建設要望に対し、大阪、京都両府は静観の構えでありましたが、今後の事業推進について各自治体の動向も気になります。今回、両自治体に大きな変化がありましたが、こうした場面をどのように生かされていくのか、知事のお考えをお伺いいたします。  ここに来てようやく、本当にようやくと申し上げてよいほどと思いますが、ダム建設凍結という目の前の霧が晴れつつあります。繰り返しになりますが、こうした大戸川ダムの必要性、建設推進に向けての方向性が、まかり間違っても後戻りしないよう強く求めるものであります。  大戸川ダムの建設に当たっては、昭和43年に予備計画調査に着手され、昭和53年4月から実施計画調査が開始、調査、計画、工事ならびに補償調整などの事業を進めてまいりました。  これまで、大津市上田上や田上の住民の皆さんは、長年住み慣れた土地からの移転や、先祖代々守り続けてきた土地を手放すなど、大変な苦しみの中、事業が一日でも早く完成し、今まで悩まされてきた洪水被害の苦しみから一日も早く解放されたい、少しでも安全な地域になってほしい、安心して眠れるようにと、我慢に我慢を重ねてこられました。  水害の心配がないところで住んでいる私たちから、特に政治に携わる立場の人間から、効果は限定的、優先度は低いなどと言われたら、それこそ人に寄り添う政治ができるのかと思ってしまいます。そして、我が身がその状況下にあったら、本当にそんなことが言えるのか、当事者になって考えてみてください。  知事、長年にわたり行政のはざまで翻弄され、当事者不在の中で自分たちの命の話が決まってしまう、挙げ句の果てには、地元住民そっちのけで無駄だの、もったいないだの、優先度が低いだの、まさに流域住民の命や財産は優先度が低いとも受け取れるような政策を8年間も本県は取ってまいりました。  改めて、三日月大造滋賀県知事として、そうした大戸川流域住民の皆さんに対し、ぜひ一言、いや、たっぷりとそのお気持ちをお伝えいただければと思います。よろしくお願いをいたします。  次に、知事は、これまでから、「私の姿勢は、ダムだけに依存しない流域治水をしっかり構築するということでございます。想定を超える豪雨からの住民の生命を守るために、ダムや河川改修などの川の中の対策と避難体制の構築や家屋のかさ上げの促進など川の外の対策を組み合わせ、あらゆる手段を講じて被害を最小限に抑えることが重要であると考えます。」と、一貫して主張されております。  私もそのとおりだと思いますが、しかし、まずやるべきことは何かをしっかり認識しておかなければなりません。そもそも流域治水条例が策定される際、当初は、川の中の対策はほとんど触れられておりませんでした。あふれたら逃げよ、田んぼはあふれた水をためるためにあるなどと、自分たちの命は自分たちで守れというような暴論にも聞こえましたが、もちろん自分自身の命を守るためには、そうした行動や対策は当然必要でありますが、その前に行政としてやるべきは、川の中の対策であると、我が会派が強く求めた結果、川の中の対策が打ち出されたという経緯があります。  引き続き川の中の対策として、現在実施されている大戸川の河川整備について、進捗状況と今後の見通しを土木交通部長に伺います。  また、懸案となっております県道大津信楽線につきましては、県施工区間については、既に整備がされ、供用も開始されておりますが、その先の国施工区間について、現在の状況はどのようになっているのか、気になるところであります。現在の状況と今後のスケジュールについて、土木交通部長に伺います。 ○議長(細江正人) 27番目片信悟議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)6点、御質問いただきました。私に対しては4点の御質問です。  まず1点目、河川整備計画の見直しに向けて、他の自治体とどのように進めていくのかということについてでございますが、現行の河川整備計画策定から10年以上たった現在、この間の整備の進捗、近年頻発する豪雨災害などを踏まえ、今月開催された淀川水系関係6府県調整会議におきましては、さらなる治水対策の実施に向けて、河川整備計画の変更手続を進めることが国と全府県で確認されたところでございます。  淀川水系は2府4県にまたがり、それぞれの状況や立場から、府県ごとに早期整備を求める事業に違いはございますが、互いに立場を尊重し合い、上下流バランスを確保しながら、淀川水系全体の治水安全度を向上させることが肝要であり、本県といたしましては、国や上流、下流の府県と緊密な意見交換を行うなど、しっかりと連携して進めてまいりたいと存じます。  2点目、今後の見通しについてです。具体的なスケジュールが示されているわけではありませんが、今後進められる河川整備計画の変更手続といたしまして、まず、国が検討して、6府県調整会議で議論された大戸川ダムを含むさらなる河川整備の内容を基に、変更原案が示されるものと考えております。  その後、河川法の規定に基づき、学識者や流域住民への意見聴取、関係府県知事への意見聴取を経て、計画が策定されることになります。  3点目、6府県調整会議での本県の主張、各自治体の動向をどのように生かしていくのかということについてでございますが、本県といたしましては、琵琶湖をお預かりする立場から、沿岸部で発生している浸水被害を軽減、また回避するため、天ケ瀬ダム再開発や瀬田川鹿跳渓谷の改修、大戸川ダム整備などを早期に実現するよう求めたところでございます。  国から示された整備内容には、これらが含まれており、今後、河川整備計画の変更手続を進めることについて了解したところでございます。  大阪府、京都府におきましては、議員お示しのとおり、学識者による検証により、大戸川ダムに十分な治水効果があること、また、必要性が高まっていることなどが確認され、6府県調整会議において、河川整備計画の変更手続を進めることについて了解されたところでございます。  また、両府の大戸川ダム整備の判断につきましては、法に基づく知事への意見聴取の際に示されるものと伺っており、計画変更に向けた手続が進められる中で、引き続き関係府県に滋賀県としての立場や考え方を丁寧に説明してまいりたいと存じます。  4点目、大戸川流域住民に対する私の気持ちについてでございますが、大戸川ダム建設事業計画を苦渋の決断で受け入れていただき、住み慣れた土地を手放すという大きな犠牲を払っていただいた皆様方、また、出水のたびに御心配なさっている沿川の皆様方には、これまで長い年月にわたり大変な御心労をおかけしているものと深く思いを致すところでございます。  今まで御苦労されてきた皆様の大戸川ダムを早く着工してほしいという思いも受け止め、また、近年頻発する豪雨災害をも考慮いたしますれば、国の検証結果、また、県が行いました勉強会の結果、私自身、大戸川ダムの必要性を強く認識し、県民の皆様方の生命および財産を守るという立場から、大戸川の改修を重点的に進めるとともに、大戸川ダムの早期整備を国に求めるなど、力を尽くしてきたところでございます。  一日も早く皆様の思いに応えられるよう、ダムの早期整備の実現に向け全力で取り組むとともに、整備が完了するまでの間も含め、避難対策の充実や安全な住まい方への誘導など、ソフト対策についても積極的に進めてまいりたいと存じます。 ◎土木交通部長(吉田秀範) (登壇)大戸川ダム建設促進について、6点の御質問のうち、私に対しまして2点、御質問をいただきました。  まず1点目、大戸川の河川整備の状況と見通しについてお答えいたします。大戸川ダムにつきましては、国のダム計画との整合を図り、おおむね10年確率の降雨に対応するため、黒津橋下流部から荒戸橋上流部までの約4.5キロメートルの区間で河道整備を進めてきたところでございます。現在、そのうち約3.7キロメートル、約82%の整備が完了しており、今後残る区間での築堤や護岸工事を進めて、令和5年度末までには事業が完了するよう努めてまいります。  2点目、県道大津信楽線の国施工区間の現在の状況と今後のスケジュールについてでございますが、県道大津信楽線の付け替え道路は、整備延長10.5キロのうち、県が下流側の3.4キロメートルを、国が上流側の7.1キロメートルを施工しており、議員お示しのとおり、県施工区間につきましては完成し、供用に至ってございます。  国施工区間につきましては、そのうち上流側の5.0キロメートルがおおむね完了してございまして、残る下流側の2.1キロメートルについて、令和3年度末の完成を目指し、落石、転石の対策など、安全管理を十分に行いながら工事が進められていると聞いてございます。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。  引き続きしっかりと、流域の皆さん含めて、その思いに応えていただければなというふうに思います。  以前に、この流域治水の議論をさせていただいたときに、その当時の責任者から、誰か犠牲が出たら責任を取りますという話がありました。いや犠牲が出る前に何か手だてを打つというのが、私は行政の役割かなと。そのことがずっと引っかかっていましたので、今回、三日月知事がそういった決断をされ、進められるということは、本当に流域の住民の皆さんにとっては何よりの励ましになろうかと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。  それから1点、土木交通部長に再質問をお願いいたします。国施工区間については、令和3年度末の完成ということに大津信楽線はなっておるというふうに思うんですけど、逆に気になるのは、ここにクロスする栗東信楽線はどういうふうになっていくのかなということをふと思いました。質問では、通告はしてませんけれども、栗東信楽線、これもやっぱり、このダム事業に大きく関連することもありますので、その辺り、もし何か御存じなことがありましたら、ちょっとお示しをいただければと思います。 ◎土木交通部長(吉田秀範) お答えいたします。  栗東信楽線につきましては、交差する道路でございますので、そこの処理、供用時に影響しないようにといいますか、円滑に交通が処理できるように、こちらとしても検討して、対策していきたいと考えております。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇)申し訳ございません。また、しっかりと後でお伺いさせていただきたいと思います。  それでは次に、滋賀県の脱炭素社会と滋賀県のエネルギービジョンについて、全て知事に伺います。  知事は、昨年1月、年頭の御挨拶において、“しがCO2ネットゼロ”ムーブメントと高々に打ち上げられ、キックオフ宣言をされました。地球温暖化、近年の異常気象に関して、大きな影響があるとされる温室効果ガス削減も喫緊の課題であります。そうした現状において、脱炭素について県民に問いかける取組が開始され、さらには今年の年頭の挨拶で、県庁本館における使用する電力の半分を100%再生可能エネルギーとするRE100に取り組むと発言され、令和3年度予算案にも計上されているところであります。  一方、国においては、昨年10月26日、菅義偉総理大臣が国会における所信表明で、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言されました。  このような状況の中、本県における環境エネルギー政策の指針となる、しがエネルギービジョンおよび低炭素社会づくり推進条例が併せて改定する予定ですが、現実を見据え、実効性のあるビジョンであり、条例でなければなりません。また、そうした目的を満足する議論が必要であり、期待するものであります。  そこで、現行の、しがエネルギービジョンの現状について伺いますが、現行のビジョンでは、原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現に向けてという考え方を前提に、持続可能な新しいエネルギー社会を創造していくとしています。エネルギーをつくる取組として、再生可能エネルギー、具体的には太陽光発電や小水力発電、バイオマス発電などの導入促進を図るとされました。  昨年9月の定例会議では、2019年度末時点の再生可能エネルギーの導入実績について、基準年である2014年度から約2倍強の82万2,000キロワットに増加したとの説明がありましたが、この増加実績の種別ごと、つまり、太陽光発電や水力発電、バイオマス発電について、その内訳を数字でお示しください。  また、水力発電にあっては、流量が見込め、高低差のある発電所建設の適地が限られている上、かんがい用水などを活用した小水力発電施設の一部は、故障や施設そのものが撤去されており、実際には稼働していないものが数多くあるとも仄聞をいたします。そうした設備は、メンテナンス費用等の問題など、現実には維持していくのが困難であると思いますが、まずは、その実態をどのように把握されているのか。  加えて、バイオマス発電については、県内の未利用材を活用した事業可能性を調査された事例はあるものの、県内でその燃料となる木材を調達するのは、現実的には困難であることから、計画を断念するなど、水力発電、バイオマス発電については、本県において、再生可能エネルギーを事業として広く定着させるのは至難の業であると言わざるを得ません。  私の知り合いからも、バイオマスへの参入を目指したが、材料の調達が困難で頓挫したとの話もあり、本県における電力生産には限りがあり、まさに電力消費県であることは明らかであります。  こうしたことから、本県の再生可能エネルギー事業の定着実現がいかに困難であるかについて、改めて県の認識を問います。  次に、本県として、太陽光発電を今後どのように位置づけていくのか、見解を求めます。  私自身、CO2ネットゼロに向けて、再生可能エネルギーを最大限活用することを否定するつもりは全くございません。しかしながら、太陽光発電ばかりに軸足を置いた政策には、いかがなものかと考えます。  昨年末から本年年明けにかけて、全国的に電力需要が逼迫したことは記憶に新しいところであります。関西エリアにおいても、1月9日、また12日には、電気の使用率が99%を記録し、非常に危機的状況にあったと聞いております。  このような事態を引起した要因については、全国的に厳しい寒波に見舞われたこと、そのタイミングで火力発電所のトラブルが重なったこと、燃料となるLNG液化天然ガスが不足したことなど、複数の要因があったと仄聞をいたします。  その中で、太陽光発電についても、寒波により十分な供給源にはならなかったこともきちんと認識しておく必要があります。そして、太陽光発電の不足分は、火力発電の化石燃料で賄われており、CO2の排出を余儀なくされている現実を忘れてはなりません。そもそも太陽光発電は、天候に左右される上、夜間は発電しないなど、この弱点を補う蓄電池技術も、経済ベースに乗せるにはまだ時間がかかります。  また、3年前の西日本豪雨の際には、太陽光発電を設置した斜面の崩落により、新幹線の運行を妨げた上、地域の環境や経済に多大な影響を及ぼすといった事例も報告されております。  景観の問題、生活環境に及ぼす影響、そうした観点から、太陽光発電に対して一定の規制をかける条例を設けている自治体もあります。さらに、将来的に太陽光パネルの廃棄処分の課題も考えておく必要があるのではないかと考えます。  そこで、太陽光発電を取り巻くこうした課題への対処について、本県としてどのように考え、対応されるのか伺います。  滋賀県として、しっかりと再生可能エネルギーの現状と課題を踏まえて、県の姿勢を示し、次のビジョンの策定に当たるよう強く求めておきたいと思います。  次に、原子力に依存しない政策の矛盾、国の方向性との整合性をどのように図るのかについて問います。  まずは、低炭素社会づくり推進計画に示されている電源構成比率について伺います。これは、低炭素から脱炭素にさらにハードルを上げたことから、こうした矛盾、整合性をしっかりと図らなければ、実効性ある施策展開ができないと危惧するからであります。  国のエネルギー基本計画に示されている2030年の電源構成は、徹底した省エネを実現した上で、再エネが22から24%、原子力が20から22%、石炭26%、石油が3%、天然ガスが27%とされております。  さらに、2050年カーボンニュートラル達成に向けた取組の発電分野においては、再エネとともに、原子力も安全最優先の稼働、安全性等に優れた炉の追求、継続した信頼回復を課題として、脱炭素技術に組み込まれております。
     つまり、国は、原子力に対して可能な限り低減を図りつつも、低炭素技術としては引き続き重要な電源と位置づけており、次の第6次エネルギー基本計画においても、この原子力の一定利用は踏襲されるものと認識しています。  一方、本県における現行の、しがエネルギービジョンの原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現という考え方を踏まえ、低炭素社会づくり推進計画には、2030年の姿として、再エネ33%、原子力ゼロ%、石炭30%、石油4%、天然ガス35%という国のエネルギー基本計画とは異なった電源構成が示されております。  温室効果ガスの削減目標についても、この電源構成に基づいたため、国が26%削減を目指している際にも、本県では23%の削減目標しか立てられなかったという側面を指摘しておきたいと思います。  さらに、ビジョンでは、原子力発電由来の電力相当分を確保するように、分散型電源としての再生可能エネルギーと天然ガス利用の拡大が示されております。  現状は、繰り返しになりますが、本県はまさにエネルギー輸入県であります。今後の方向性として、再生可能エネルギーの開発、導入に注力することを否定するわけではありませんが、技術革新等によって再生可能エネルギーを取り巻く諸課題の解決が図られ、また、導入コストが劇的に下がらない限り、当初に立てた計画どおりに進捗するとは考えにくく、実現もまさに絵に描いた餅に思えてなりません。  そうした足元の現実を踏まえれば、低炭素社会づくり推進計画が示す今の電源構成の在り方や、しがエネルギービジョンが示す分散型電源の導入目標では、現状においては、電力の足りない部分はCO2を排出する化石燃料に頼ることを意味しており、今後、本県が目指すCO2ネットゼロという政策目標とかけ離れるのではないかと危惧いたします。  こうした点について、県としてどのように認識し、また、今後改定予定の低炭素社会づくり推進条例と、しがエネルギービジョンの整合をどのように図るのか、2050年CO2ネットゼロに向け、電源構成を含めたエネルギー利用の在り方について、どのような方向性を示そうとお考えか伺います。  また、2050年カーボンニュートラルを達成するためには、国を中心として、日本全体で国民を巻き込んだムーブメントを起こさなければ、実現は難しいと考えます。まさに不退転の決意を持って本県も取り組まなければなりません。  しかし、目標達成に向け、グリーンエネルギーを開発するためには、何度も申し上げますが、革新的な技術開発と膨大な脱炭素に向けたコスト負担が必要であり、県としても、現実問題として県民にそのコストをどのように負担していただくのか、しっかり考えておくべきことであり、これは避けては通れない問題だと考えます。  国は、その達成に向け、電化プラス電力のグリーン化、水素、CO2固定・再利用、この3つを重点分野として位置づけていますが、その中で、本県がまずできること、県内や県内事業者が着手できることは、省エネ、再エネに併せて電化の促進ということも考えられます。  国のエネルギー基本計画やグリーン成長戦略との整合性を取りながら、本県として何に重点を置いて目指すべき方向に向かって取り組まれるのか、県の見解を伺います。 ◎知事(三日月大造) 脱炭素社会推進とエネルギービジョンにつきまして、こちらは5点、御質問いただきました。  まず1点目、再生可能エネルギーの種別ごとの増加実績でございますが、基準年度であります2014年度と比較いたしまして、直近の2019年度末時点でございますが、太陽光発電は37万3,000キロワットから約2.2倍の81万2,000キロワットに、小水力発電はゼロであったところから1,100キロワットに、バイオマス発電は4,700キロワットから約1.6倍の7,400キロワットに、それぞれ増加してきております。  2点目、本県の再生可能エネルギー事業の定着実現についての県の認識でございますが、議員御指摘のとおり、農業用水路を活用した一部の小水力発電施設で、騒音などの影響により撤去された事例があり、また、県産材を活用した大規模な木質バイオマス発電は、原料供給の面で課題があると認識しております。  一方で、昨年7月には、民間企業が県内の工場で開発された管水路用マイクロ水力発電システムが県企業庁施設に初めて導入されるなど、小水力発電の新たな取組も始まっているところです。  また、民間企業による建設廃材を活用したバイオマス発電や、市町等の一般廃棄物処理施設でのバイオマス発電、熱利用など、様々な主体による取組が進められているところでございます。  小水力やバイオマスのエネルギー活用は、農山村地域の活性化や地域内経済循環にも資するものであり、地域の実情に応じて積極的な導入が進むよう、市町や企業等とより一層連携を深めながら取り組んでまいりたいと存じます。  3点目の太陽光発電を取り巻く課題への県の対応についてでございます。太陽光発電は、様々な課題がございますが、CO2ネットゼロ実現に向けては、主要電力の一つとなると考えられており、国におきましても送配電網の強化や高効率蓄電池の開発、太陽光パネルの廃棄費用の積立制度の創設など、課題解決に向けた取組が進められております。  本県の再生可能エネルギーの拡充に当たりましても、太陽光発電の導入促進は、引き続き重要であると考えており、県といたしましても、県内企業による大容量、高効率の蓄電システムの実証実験を支援しているところでございます。  また、景観や自然環境等への配慮につきましても、個別法の運用や国のガイドラインを活用した指導に努めております。  今後は、太陽光をはじめとする地域で発電された電力について、その需給調整を最適化し、安定的かつ効率的な利用を図るバーチャルパワープラントの導入などについても、県内企業や市町等と連携して研究してまいりたいと存じます。  また、国に対しましても、廃棄パネルの処分の仕組みづくりなどにつきまして、引き続き政府提案などを行ってまいりたいと存じます。  4点目の電源構成を含めたエネルギー利用の在り方についてでございますが、第5次エネルギー基本計画における2030年の電源構成では、原子力が20%から22%とされておりますが、原発の安全性に対する国民の不安感はいまだに払拭されておらず、使用済核燃料の処理についても未解決でございます。  また、ビジョンの策定以降の5年間で10基の廃炉が決定するなど、廃炉に向けた動きも進んでおり、直近の2019年度の電源別発電電力量の速報値によりますと、原子力は6%にとどまり、新設や再稼働も難しい状態となっております。  このように、現行エネルギービジョンの理念として掲げております「原発に依存しない新しいエネルギー社会の実現」の考え方は、ほぼ現実のものともなっており、来年度に予定している条例、計画およびビジョンの一体的な改正等においても、引き続き目指していくものと考えております。  この考え方と、“しがCO2ネットゼロ”と整合性のあるエネルギーの在り方について、国の次期エネルギー基本計画の検討状況も注視しながら、電源構成についての考え方も含めて検討してまいりたいと存じます。  5点目、本県が何に重点を置いて取り組むのかということについてでございますが、国におきましては、グリーン成長戦略で2050年カーボンニュートラルを成長の機会と捉え、経済と環境の好循環をつくっていく産業政策であるとされております。  本県におきましても、こうした観点から、まず、次世代エネルギーとして期待の高まる水素について、しが水素エネルギー研究会を再編いたしまして、県内企業のポテンシャルを生かしたCO2フリー水素の製造・利活用プロジェクトに向けて、来る3月16日にキックオフセミナーを開催し、検討に着手することとしております。  また、このような新たなエネルギー分野の技術革新や設備の導入などを民間の資金を活用して促進するため、ESG投資の拡大に向けた仕組みづくりや、エネルギーの地産地消を担う地域新電力につきましても、ビジョンの検討と並行して研究を進めてまいります。  このように、“しがCO2ネットゼロ”の推進に当たりましては、民間の活力を生かしながら、経済成長との両立を図り、琵琶湖発のグリーンリカバリーを進めていきたいと考えております。 ◆27番(目片信悟議員) (登壇)ありがとうございます。  1つ申し上げておきたいのは、例えば東日本の震災のときに、今の原子力発電所がああいう事故が起きた。そのときに県庁でも議論になったのが、例えば、今度RE100で県庁の電気を、再エネを半分導入するとおっしゃいましたけど、そのときの議論では、県庁全館をLED化すると、こう言わはったんです。それまでの間、LEDスタンドを買って、それで順次LED化を進めて、まずは省エネやと、こういうことで、ずっと2011年からやってこられたんですけど、あえて問いませんけどね。今、では県庁本館全体がLED化、どれぐらいになったんやろうなとか。例えばそういうようなことを一つ一つ、細かいことですけど、そういった施策を100%実行してきたかというと、私は決してそうでなかった。その時々に、ぱっと目につくようなところをばんと打ち出して、そのまま、ずうっと進んできた。  今、10年たって、では、それが本当に進んだのかなということを考えますと、しっかりその辺りのことも振り返りながら、これから県が目指すそういった様々な政策、また、一つ一つの施策について検証しながら進めてもらいたい。別に思いつきとは、僕は申しませんけれども、そういったことを、やっぱり、一つ一つ実現していって、検証して、その結果、次どういうふうにつなげるのか。  今先ほどもエネルギーの比率も聞きましたけど、電力事業者だって、今コマーシャルでもやってはるように、再生可能エネルギーに力を入れてやっていきましょうと、こういう時代の流れはよく理解できています。私もできていますのでね。そうした一つ一つの施策の実効性を、やっぱり、担保していってもらいたいということだけ申し上げて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、27番目片信悟議員の質問を終了いたします。  次に、19番駒井千代議員の発言を許します。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇、拍手)お昼前ですので、端的に進めたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、通告に従いまして、魅力と活力ある高校づくりに向けて、一問一答でお伺いをいたします。  今年度は、コロナ禍で、子供たちの学ぶ環境も影響を受けておりますが、ただいま各入試が実施される時期となっております。皆さんの力がぜひとも最大限発揮されるよう御祈念申し上げます。  さて、先月、令和の日本型学校教育の構築を目指して、中央教育審議会より答申が出されました。その中では、「学校教育において、情報化、国際化等の社会の変化に対応し、児童生徒の多様な興味、関心に積極的に応えつつ、児童生徒に生きた社会に触れる機会を与え、社会との関わり方を身につけさせていくことは極めて重要な課題の一つである。そのためには、優れた知識、技術を持つ学校外の社会人を学校教育に積極的に活用していくことが必要であり、教職に関する専門性を有する教員に加え、学校外の優れた社会人の力を借りることが不可欠となってきている。」とされております。  そこで、特別免許状についてお伺いをいたします。特別免許状とは、教員免許状を持っていないが、優れた知識、経験などを有する社会人などを教員として迎え入れることにより、学校教育の多様化への対応や、その活性化を図るため、都道府県教育委員会が授与する免許状をいいます。そこで、滋賀県でのこれまでの採用状況について、教育長にお伺いをいたします。 ○議長(細江正人) 19番駒井千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎教育長(福永忠克) (登壇)お答えをいたします。  本県では、特別免許状の取得を条件といたしまして、教員免許状を持たない方も受験できる社会人特別選考を平成29年度実施の教員採用試験より実施しているところではございますが、これまでの4年間、採用の実績はございません。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)全国的に特別免許状の活用が進んでいるとは言えない状況を踏まえ、平成26年に文部科学省において、特別免許状の授与に係る教育職員検定等に関する指針が示された結果、全国での活用が進められ、特に高校での採用が増加しています。  先ほど教育長が答弁されたように、滋賀県ではこれまで採用がなかったわけですが、採用条件は都道府県教育委員会ごとに異なるため、それが要因なのか、周知が足りていないのか、これまで採用がされてこなかった要因について、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  社会人特別選考の志願者数は、この4年間では12名でございまして、そのうち、教員免許状を持たない方は5名と、応募が少ない状況でございます。その要因といたしましては、対象教科を高等学校の理科、農業、工業の3教科に限っていることや、社会人特別選考や特別免許状の制度につきまして、十分周知ができていないことがあると考えているところでございます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)なかなか応募がないと、マッチングの点とか、いろいろあると思うんですけれども、ただ、この社会人選考におきましては教科が限られておりますけれども、ほかのスポーツ選考であったり、いわゆるJICA等で国際経験のある方の場合は、全科目になっております。そのような違いも踏まえますと、さらに滋賀県では、修士課程などは必須となっていないんですけれども、これも必須とされておりまして、ほかの県では加点事由とされているところもございます。  このように、教師の養成、採用、研修の一体的改革の中でも、社会人等の多様な人材の活用として特別免許状の活用も記載されており、本年度重要指針改定により運用の弾力化も図られる見込みであります。  採用条件やPRについて、改善の余地があるのではないか、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  現在、検討を進めております魅力と活力ある県立高校づくりをさらに進めるためにも、専門的な知識や経験を有する社会人の方々を教員として学校に迎え入れること、これも必要であるというふうに考えております。  そのためには、採用条件の面で、例えば社会人特別選考の実施教科を英語など他の教科に広げることなど、他府県の取組も参考にして、今後検討していきたいと考えております。  また、社会人特別選考の制度の仕組みでありますとか、学校現場でどのような役割を果たしていただくのかなど、社会人の方に具体的にイメージしていただけるような工夫も併せてしてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)今、教育長から答弁で、英語など科目を広げるということでありましたけれども、この特別免許状を使って、英語教育で外国人の方が教員として入られる。これは、講師ではなく、一人の教員として入ることが、学校運営にも広く携わっていくと、学校が多様化して、そのことが学校の魅力にもつながっているという事例も言われてるわけですので、この選考過程をしっかりと見直していただいて、より魅力ある形にしていただきたいと思います。  さて、令和4年度を目途にした小学校高学年からの教科担任制の導入、プログラミング教育や探求的な学び、キャリア教育、普通教育を主とする学校の弾力化といった観点からも、専門性を持つ社会人登用の土壌ができつつあると言えるのではないでしょうか。  特に国際バカロレア教育が今年4月から虎姫高校にて始まりますが、デュアルランゲージシステム、いわゆる日本語DPにおいても、2科目以上は英語で履修することが求められております。  さざなみ倶楽部では、英語DPを中高で実施されている学校へ昨年調査に伺い、授業も見学させていただきましたが、特に英語でIB科目ができる人材の確保が非常に重要であるとのことでした。認定校の中には、優秀な人材を求めて世界中でスカウトをされているとも伺っております。  人材確保の重要性は、文部科学省IB教育推進コンソーシアムによる米原での説明会でも言及をされておりました。虎姫高校の国際バカロレア教育に関する教員の状況について、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  今年度から国際バカロレア教育を始めております虎姫高校では、14名の教員が国際バカロレアの授業を担当できる資格を取得し、生徒の指導に当たっているところでございます。  また、英語を母語とする外国人講師1名が国際バカロレア教員の資格を持ち、虎姫高校の先生方と共に生徒の指導に当たっていただいているところでございます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)今、お話しいただきますと、非常に安定しているように聞こえるんですけれども、実は本年度、かなり臨時講師と厳しい状況になっておりまして、来年度から本格的に始まることを考えますと、今まさにこのIB教育、始めていくところですので、今後を踏まえると、持続可能な体制づくりを進めていくことが必要であると考えております。この点について教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  今後のことも考えまして、国際バカロレアの授業を担当する資格を取得するためのワークショップに、毎年8名程度の教員を参加させ、必要な教員を継続的に確保できるよう努めてまいりたいと考えております。  あわせまして、専門性の高い内容を英語で指導できる外国人講師等を継続的に確保していくためにも、議員の御指摘の特別免許状制度の活用も含めまして、持続可能な体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)ぜひともよろしくお願いいたします。産業教育審議会などでも、企業の人材の参画について言及がされております。今度、高等学校における普通科の特色化も進める中、特別免許状による教員の確保について、令和4年度から10年間の(仮称)これからの滋賀の県立高等学校の在り方に関する基本方針の中でも、戦略的に位置づけて検討すべきではないかと思いますが、教育長の見解を伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  現在開催をしております滋賀県産業教育審議会では、特別免許状や特別社会人講師といった制度を活用し、人材の確保が必要であるといった御意見をいただきました。  また、滋賀県立高等学校在り方検討委員会では、学校の特色化を全て学校の先生が担うということでなく、専門的な教育は、その道のプロに任せるべきという御意見もございました。  本県におきましても、産業界などにその道のプロと言われる方が多くおられると認識をいたしておりまして、そういった方々に教育現場で活躍いただくことは大変大切な視点であると考えております。  専門的な教育の分野におきましては、特別免許状の活用による教員確保の手法も含めまして、外部人材の活用は重要であると考えておりまして、県立高校の在り方に関する基本方針の策定に向けて議論を進めてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。  学科編成とかそういったことが、今後、各高校において進められていくわけなんですけれども、やはり、それを担う人、人材育成、確保、やはり、ここのことがなければ、形だけに終わってしまいかねないので、この点についてはしっかりとよろしくお願いしたいと思います。  昨年の8月、島根県海士町の学校を核とした地方創生プロジェクトについてお話を伺いました。島根県は、過疎という名前が生まれた課題先進地として、各地域で様々な取組がされているところであります。人口減少が続く中、人口流出の出口となっている高校へのてこ入れが重要として、高校の魅力化により人づくり、人材の流れづくりの好循環を目指すプロジェクトを進めて、実績を積み重ねられております。  滋賀県では、高等学校再編計画で、1学年当たりおおむね6学級から8学級を標準として、これまで再編を進めてきました。再編前の平成24年度は5学級以下が21校であったのが、再編後の平成28年度には16校に減少しましたが、令和2年度では23校と増加をしております。生徒数は、平成2年3月中学校卒業の2万700人をピークに、令和2年は1万3,800人と、7,000人、34%減となっており、令和16年はさらに1万2,100人、ピーク時から42%減と見込まれております。  このように、今後生徒数が減少する中では、それぞれの高校と地域がどのようにつながっていくのか、大学や産業界など多様なつながりをどのように進めていくのかも大きな課題です。  再編計画では、全ての高等学校における魅力ある学校づくりに取り組むこととされており、令和2年1月に実施した県立高校長対象の調査では、地域、大学、企業との連携が進んだとされています。  そこでまず、高校と地域、大学、企業とのつながりは、これまでどのように進めてこられたのか、教育長に伺います。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  平成24年12月に策定をいたしました再編計画において、全ての高等学校において魅力と活力ある学校づくりに取り組むとし、また、平成31年3月に策定をいたしました滋賀の教育大綱におきましても、地域の人々と協働した取組の推進や、知の資源である大学の活用、地元企業との連携等を位置づけておるところでございます。  例えば愛知高校での地元の商工会と連携した就業体験や、長浜北星高校での地元企業からの技術指導、また、高島高校での東京大学と連携したオンラインによる特別講座の受講や、石山高校での京都大学などと連携したアカデミック授業など、それぞれの高校におきまして、地域や産業界、大学との連携の取組を進めてきているところでございます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)私自身は、県庁各部署の出前授業などを通じて、滋賀県に愛着を持ってもらうことも重要ではないかと考えております。  そこで、県内の農業を学ぶ学生が滋賀県で学ぶ以上、滋賀県農業の特色や伝統野菜などについて学ぶ意義はあると考えますが、農政水産部長にお伺いをいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)お答えいたします。  農業高校等の学生さんが本県農業の特色を学んでいただきますことは、将来の就農、就業に向けまして、興味や基礎知識を得てもらうということのほか、仮に就農の道に進まなかったとしても、地元の農産物やその産地、そして、生産者に関心を持っていただき、ファンになってもらう上で大変重要であるというふうに思っております。  このため、県では、農業高校等と各農業農村振興事務所が様々な場面で連携を取っているところでございまして、その一環として、体験講座や現地研修を実施しております。今年度で申しますと、湖南農業高校ではドローンなどを活用したスマート農業、甲南高校ではお茶農家での刈取り体験、八日市南高ではブドウ栽培やGAP、長浜農業高校では環境こだわり農業の研修などを実施をしているところでございます。  今後、さらに学校等との連携を深め、農業の現場に触れる機会を増やすなどによりまして、農業高校等の学生さんの地域農業に対する理解促進に努めてまいりたいと存じます。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。  ほかにも、各県庁部署においては、滋賀県の魅力をいろいろと深く御存じなところもあると思いますので、やはり、学生がたとえ滋賀県から出ていったとしても、滋賀に戻っていきたいと思えるようにするためには、こういった愛着を深めるためにも、各県庁部署との連携をして、しっかりと子供たちに伝えていくということが必要と考えますが、この県庁各部署との連携もさらなる多様な連携の中に位置づけてはどうかと考えますが、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えいたします。  先ほど農政水産部長の答弁にもありましたように、農業高校での連携した取組がございますし、また、工業高校では、彦根工業高校が土木交通部と連携した土木に関する出前講座があるなど、県立高校では、県庁各部局とこれまでから様々な連携を行ってきたところではございます。  これからの県立高校づくりにおきましては、行政機関、そして地域、企業、大学など様々な連携がますます重要になってくるとともに、そのことを広く県民の皆様方に知っていただくという取組も必要だと考えているところでございます。  県庁各部局との連携、また、その発信も含めまして、今後の基本方針の策定に向けて、しっかりと議論をしてまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)ただいま教育長が申されたように、地域、教育機関、行政機関、いろいろなつながりをつくる中では、やはり、コーディネートが重要となってくると思います。現在、コーディネートは、どのような体制で進められているのでしょうか、教育長にお伺いいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  多くの県立高等学校では、大学や地域との連携に係るコーディネートにつきましては、各校の校務分掌の中で割り当てられた教員に担っていただいている状況でございます。  大学等におきましては、地域との連携を円滑に進めるため、地域連携推進室といった専門部署や専門スタッフを配置されていると聞いておりますが、県立高等学校におきましては、進路指導やキャリア教育を担当する教員を中心に、企業や大学等との折衝を、授業の合間の時間などを利用して行っていただいており、このことは先生方の負担になっているというふうに認識をいたしております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)先ほど御紹介しました海士町でも、コーディネートをするために、まずコンソーシアムをつくって、その中でも、やはり、学校とそのコンソーシアム、どのようにコーディネートしていくか、このコーディネーターが大変重要となってくるという形になってきております。
     そうした中で、今、教育長がおっしゃったように、教員の方にかなりの負担となりますと、働き方改革の面でもいろいろ課題がありますし、さらなる今後、つながりをつくっていくためには、やはり、専門のコーディネーターの配置が必要と考えますが、教育長にお伺いをいたします。 ◎教育長(福永忠克) お答えをいたします。  例えば瀬田工業高校など、県内12校を研究指定として実施をしております高等学校産業人材育成プロジェクト事業では、各学校でコーディネート委員会を設置し、人材育成についての企画、運営、評価等について協議を行っていただいております。  このコーディネート委員には、教職員、学識経験者、そして、産業界の関係者等で構成をしておりまして、地域との連携の推進についても協議を行っていただいているところでございます。  今後、専門高校等で行っているこのような取組を専門高校以外でも推進していくということが必要と考えておりまして、地域、大学、企業等との連携に係る地域コーディネーターの設置を含めまして、持続可能な仕組みについて検討してまいりたいと考えております。 ◆19番(駒井千代議員) (登壇)ありがとうございます。  コロナ禍でオンライン教育環境も進む中で、今後、ますます海外等、いろんな地域とつながりができるようになってきたと思います。今回申し上げた中では、学校という存在が、教育再生会議とか中央教育審議会の内容を読んでおりますと、多様な中で学んでいくという知の刺激が受けられる、そして、いろんな機関とつながる出会いの刺激がある、そうした社会的資本としての学校の役割というものが大きく問われていくのかなというふうに思っております。  そのために大事なのは、何よりも人であるということとつながりをどうしていくかということですので、ぜひとも、今回前向きな答弁をいただきましたので、これを確実に今後10年間、しっかりと進めていただいて、2030年の滋賀の未来をしっかりと担う人材を育成していただきたいと祈念をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、19番駒井千代議員の質問を終了いたします。  しばらく休憩いたします。   午前11時57分 休憩    ────────────────   午後1時 開議 ○議長(細江正人) 休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、39番江畑弥八郎議員の発言を許します。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇、拍手)それでは、午後、トップバッターでやらせていただきます。よろしくお願いをいたします。  来月、3月11日で、東日本大震災から今年で10年となります。ちなみに2月22日は、クライストチャーチ地震で日本人留学生が、28人犠牲になりました。先日も震度6強の余震があり、多くの方が被害に遭われました。被災された皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興を祈念いたします。  恐らく多くの方が10年前のつらい記憶を思い起こされたことと推察いたします。私も、まだ震災は終わってないんだと改めて考えさせられました。  関連死を含めて2万2,000人以上が犠牲になった被災地では、土地の造成や住宅建設などハード面の整備は、ほぼ完了していると聞いております。しかしながら、コミュニティーの再生や被災者の心のケアなど、課題は多く残っているのが現状であります。  特に、東京電力福島第1原発事故で、放射能に汚染された福島は、住民の帰還が思うように進んでいない自治体が多いようでございます。約4万2,000人近くがいまだに避難生活を続けられております。  そうした被災者に対する、被災地に対する人々の関心は、かつてと比べて薄れてきているように見えます。しかも、昨年からは新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、ほかの問題は陰に隠れがちのようです。このまま震災の記憶の風化が加速するのではないか、そんな危機感が被災地にはあると聞き及んでおります。震災とは、どういう意味を持つものだったのか、改めて問う必要があります。  まずは東日本大震災から今年で10年、知事の思いを問います。  次に、東日本大震災は、日本の社会へ様々な影響をもたらしました。10年前、人々は、町が津波にのまれるテレビの映像を目の当たりにしました。物不足や原発事故の影響による計画停電で不自由な生活を強いられました。私も2期目の県議選選挙の直前で、事務所でテレビを見たその光景は忘れもしません。その経験は、多くの人の価値観を揺さぶり、自分の生き方や社会の在り方に目を向けさせました。  内閣府の社会意識に関する世論調査によりますと、震災後に、何か社会のために役立ちたいと思っている人の割合が上昇、とりわけ20代は、前年から10ポイント以上増えて70%に達しました。しかし、その後は全体に減少傾向となり、近年では、20代も震災前の水準に戻ったということであります。  背景には、この10年間で格差が広がり、他人を思いやる余裕がなくなったという事情があると考えます。それは、コロナ禍の今、私たちが直面している新たな問題であります。感染者や医療従事者に対する差別が目立っているのも、日本社会の変化が影響しているのだろうと考えております。  知事は、東日本大震災、そして、コロナ禍を踏まえた社会の在り方について、どう思われているのか、お伺いいたします。  次に、原発事故で放射能に汚染された福島は、2017年春頃から、一部の帰還困難区域を残して、避難指示が解除されてきました。しかし、現在、町内に住む人は、震災前の1割ほどにとどまっているところです。避難生活が長期に及び、避難先で子供が進学するなど、生活の基盤を移さざるを得なくなったためです。戻りたいが戻れないという人が少なくありません。  そこでまず、滋賀県では、平成26年度から、東日本大震災被災者と県民との交流事業をされてきたと思います。県内の被災者の現況と、事業の内容と、これまでの経過についてお伺いいたします。  また、被災地に対して、これまで人員派遣や支援活動をされてきたと思います。これまでの取組経過と、現在も継続されている事業についてお伺いいたします。  私は、被災地の課題は、人口減少が進む日本の他の地域に共通するものがあると考えます。共に知恵を巡らすことは、被災地への支援となるだけでなく、自分自身の問題解決に結びつく10年だと考えます。できるだけ多くの人が被災地の今に目を向け、新たなつながりを育むきっかけにしてほしいと望むものです。  被災地、被災者を孤立させないためにも、今後も派遣支援事業は継続すべきと考えますが、知事の所見をお伺いいたします。  2020年度は、ほようかんさいネットワーク、和歌山も含めて、関西で29団体の調査では、滋賀県の3団体は、コロナ禍の影響で夏休みの交流キャンプ中止、10年目の節目で大変残念な思いをされていると聞き及んでおります。  そこで、最後に、滋賀の団体からメッセージをいただきましたので、少し御紹介いたします。  びわこ1・2・3キャンプさんもコロナで開催できないでいますが、福島の方で保養に出たい方はいらっしゃるし、セシウムの半減期は30年、30年でたった半分になるだけなので、形を変えてでも福島の方に寄り添う活動は続けていきたい。移動や密集が駄目なので難しいですが、助成金のことを私たちナチュラルママが滋賀県で保養をやり始めたのが2012年、自分たちの子供もみんな小さく、夏は保養に来られた家族の子供たちと一緒に成長させてもらいました。この子供たちも大きくなり、高校、大学と大変お金がかかる年頃になり、お母さんたちも学費を稼ぐために、みんなで仕事に就き、保養ボランティアをやっている時間がなくなってしまったという状況もありますが、県の助成金で活動ができていないのが現状です。それも終わるということは、大変残念です。助成金の継続をぜひとも、福島の子供たちやお母さんたちに寄り添っていけるという思いで、継続をお願いしたいと思います。  三日月知事におかれては、ぜひこのメッセージをとどめていただいて、善処をお願いいたしまして、以上、私の質問を終わります。1項目の質問を終わります。 ○議長(細江正人) 39番江畑弥八郎議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)東日本大震災から10年ということで、5点御質問をいただきました。  まず1点目、10年ということについての思いでございますが、東日本大震災から10年の節目となりますが、今なお震度6強の余震が発生するといったことや、行方不明者の捜索活動や、自宅以外の地域での避難生活が続けられているなど、復興に向けた道のりは、まだ続くものと認識しております。  この1月に行われました岩手、宮城、福島3県における42市町村のアンケート結果では、約9割の首長の皆さんが震災の風化を懸念されており、帰還困難区域の再生や心の復興などが課題とされていると承知をしております。  また、東日本大震災は、想定外の複合災害の発生や、電力をはじめとする社会基盤の脆弱性、記憶や経験の継承の困難さなど、私たちに知らしめることとなりました。被災された方々や被災地の実情、震災の教訓を風化させることなく、東北復興への思いを持ち続けるとともに、こうした災害経験を我が事として捉え、県民の生命と財産を守るという最も重要な使命を意識しながら、防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。  2点目、東日本大震災、そして、コロナ禍を踏まえた社会の在り方についてでございますが、東日本大震災では、これまでにない規模の自然災害の脅威を国民全体が目の当たりにした中で、絆という言葉に象徴されるように、人と人とのつながり、互いに支え合う社会が求められることとなりました。  今回のコロナ禍におきましては、人と人との距離を取ることが求められ、さらに未知の感染症に対する恐怖から、感染者や医療従事者に対するいわれのない差別、他者に対する誹謗中傷など、このつながりが分断されかねない事態にも直面することとなりました。  こうした経験から学びました人と人、人と社会、人と自然のつながりの大切さを改めて再認識し、他者を思いやる利他の心により、全ての人の命が等しく守られる、本当の意味での健康しがを目指してまいりたいと存じます。  3点目、県内の被災者の現況と交流事業の内容、経過についてでございますが、岩手県、宮城県、福島県の東北3県から滋賀県へ避難された方は、ピーク時の平成23年9月には166世帯、428名おられましたが、10年を経た本年2月1日現在では59世帯、155名、ピーク時の36%となっております。  また、東日本大震災被災者と県民との交流事業につきましては、県民の防災意識向上と避難者の生活再建を図るため、民間支援団体が実施されます被災した子供たちを一時的に本県に受け入れるサマーキャンプや、今なお被災地から滋賀県に避難されている方々と県民との交流会の開催に対して支援を行ってまいりました。  今年度は、新型コロナウイルス感染症禍により事業が実施されませんでしたが、事業を開始した平成26年度から令和元年度までの6年間で延べ1,074名の被災者の参加を得たところであり、交流された県民の皆さんの防災意識の向上にも一定つながったと考えております。  4点目、被災地に対しての人員派遣や支援活動についてでございますが、東日本大震災のカウンターパート先である福島県へは、発災当初の支援活動として、避難所や現地連絡所への人的支援や、県備蓄物資等を提供するなどの物的支援、被災された方々への医療支援や給水支援等を中心に行ってまいりました。  その後、公共施設の災害復旧、本格的な復興に係るインフラ整備や環境保全などのニーズに応じ、被災当初から10年間で延べ77人の職員を派遣してきたところでございます。  5点目、今後の派遣支援事業の継続についてでございますが、平成23年被災当初から県としてでき得る派遣支援事業を継続することで、被災地域の復旧、復興に尽力してきたところです。  災害復旧工事のための農業土木職員や土木職員の派遣につきましては、被災地支援のみならず、派遣職員の経験が本県の防災にも生かせることから、被災地のニーズも踏まえながら対応していきたいと考えております。  なお、民間団体が実施される交流事業への支援につきましては、支援団体の理解のもと、県としての助成は終了させていただきますが、今後も継続して支援団体との連携を保ちつつ、被災者支援への助言や相談を引き続き行っていきたいと考えております。  さらには、東日本大震災10年を契機に、東北3県と滋賀県の中高生などの次世代を担う若者が、修学旅行を通じて相互に交流を深めることを考えており、こうした取組により、これからも被災者の思いを共有し、震災の記憶を引き継いでまいりたいと考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)ありがとうございました。  ちょっと2点ほど再質問をさせていただきます。  まず、今現在、滋賀県に避難されてる方が59世帯、155名ということですが、このうち帰還困難者は大体どれぐらいおられるのか、ちょっと分かれば、教えていただきたいと思います。  それと、当初から交流団体への支援は10年と、こういうことで、今年度で終わると、こういう知事の答弁でございましたが、2020年は、知事の答弁にもありましたように、コロナ禍で予定して、10年ということなので、少しやっぱり、記念すべきということで、かなり計画されていたようですが、このコロナ禍で中止せざるを得なかったと、こういうことです。  そういうことからすると、少なくとも来年、やっぱり、1年は継続すべきかなと私は思います。できれば、被災地に寄り添うということであれば、もうしばらく継続をしてほしいと、こう私は思いを持っていますが、もう一度、知事の見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) まず、1点目にいただきました59世帯、155名いらっしゃる方々のうち、帰還困難区域の方々については、すいません、手元に資料がないので、分かりませんので、後ほどまた、事務方から説明をさせていただきます。  今1ついただきました、今年度できなかったんだから来年度も財政的な支援を継続すべきではないかという御質問につきましては、お気持ちは受け止めたいと思うんですが、一つの区切りで、財政的な支援については行わないということにさせていただくんですが、それぞれの団体の方が取り組まれる活動にしっかりと寄り添いながら、どういったことができるのか、相談ですとか助言には努めてまいりたいと思います。  また、それ以外の活動というものについても、今後、先ほど御紹介申し上げましたが、中高校生の交流ですとか、そういった形で、これからしっかりと語り継ぐ事業というものをつくっていければと考えているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)大変残念ですね、今のお言葉は。被災地に寄り添うということは、私は、期間はないんだろうと、このように思いますし、交流事業の支援についても、10万、そして20万ということで、それも今、滋賀県内では大体3団体が計画されておりましたので、そんなに多くの費用がかかるとは私は思いません。それよりも、やっぱり、この事業を継続させるということが、私は、滋賀県民にとって、大変大きな力になるだろうと、このように思いますので、知事は今、答弁されたので、この場で変えるということは多分されないんでしょうけど、支援団体とは連携をしていくということでございますので、そこで、できる限りの財政的な支援も本当はしてほしいんですが、その辺の状況を含めて、ちょっとこれから私もそこに関わりますので、その辺の交流の中で見極めていきたいと思います。  一応今回は、ここのところで、時間がございませんので、質問を終えておきますが、ぜひ知事におかれては善処をお願いをしたいと、このことを申し上げまして、次の質問に移らさせていただきます。  それでは、流域治水について、一問一答で、全て知事にお伺いいたします。  2009年、滋賀県、京都府、大阪府、三重県の4知事が、大戸川ダムの必要性について、緊急性が低いとして、整備計画に位置づける必要はないと判断をしました。しかし、国は、その意思を無視をして、凍結という形で、最終的には整備計画に位置づけられました。  そのときの状況を振り返りますと、故西川敏輝元県議と私が、この議場で知事意見をめぐりまして、大変活発な議論をしたことを鮮明に記憶しております。特に2009年12月定例会の最終日に全ての議案が廃案となる議長が行方不明の時間切れ流会は、県政史上初めてであり、滋賀県議会にとって汚点の歴史だと思っております。結果的には再審議を翌年2010年1月に行いまして、知事意見は成立をいたしました。  ちなみに、翌年度から琵琶湖淀川水系問題対策特別委員会の設置、本格的に流域治水の推進に関する条例の協議を行ったわけであります。その特別委員会の委員長も、私も不肖、させていただきました。いずれにしても、当時の全ての議員と執行部の様々な思いが込められた条例だと考えております。  それから10年がたち、温暖化で豪雨圧力が高まり、状況が変わったと、三日月知事は、大戸川ダムが必要と判断されました。大阪府は、前向きに検討する、事業費、スケジュールを示してほしい、京都府は、容認を決めたわけではない、あくまでも議論に入ることを了解するという、これは京都新聞の記事からでございますが、そういう方向性を示しました。  しかし、三日月知事も含めて3知事の判断については、大きな疑問を感じます。温暖化による豪雨圧力は確かに高まりました。それゆえ国は対応を取ろうとしております。それが流域治水の導入であります。それまで河川の中だけでの対応にしようとしていた明治河川法以来の河川対策の大転換であります。  冒頭触れましたが、滋賀県では、国に先駆けて、2014年3月に流域治水推進条例を議決、施行を始めました。国も、滋賀県方式をモデルに検討されたと仄聞をいたしております。  国立環境研究所気候変動適応センターの肱岡副センター長が過日の新聞の投稿で、滋賀県の地先の安全度マップは高精度のもので、大雨の程度別にどのくらい水害リスクがあるのかを示したものです。このような情報を自ら作成して提供されている自治体は、ほかには例がありません。また、流域治水推進条例で、宅地建物取引で水害のリスク情報を説明する努力義務を課していることも注目に値します。流域治水政策室設置から条例制定まで7年半かかっておりますが、様々なステークホルダーとの議論やリスクの精緻な検討に要されたもので、長いということはありませんと評価をしていただいております。  そして、2月2日には、あらゆる関係者が協働して取り組む流域治水の実現を図る特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案を閣議決定されました。この法案の柱は、流域治水の計画、体制強化、氾濫をできるだけ防ぐための対策、被害者対象を減少させるための対策、被害者の軽減、早期復旧、復興のための対策からなり、特定都市河川法、河川法、下水道法、都市計画法、都市緑地法、防災集団移転特別措置法、建築基準法、水防法、土砂災害防止法の9本の法律を束ねた法案であります。  氾濫をできるだけ防ぐための対策として、利水ダムの事前放流の拡大を図るため、河川法第51条にダム洪水調節機能協議会の設置が新たに規定されました。菅首相が官房長官時代に、水道は厚生労働省、農業は農水省、電力は経産省と縦割りで管理されていた利水ダムを、事前放流などで治水容量を増やして治水機能を高めたら、全国の治水容量が45億トン増えて、2倍になるという政策転換を指示されました。  国の方針に従い、淀川水系全体での利水ダムの治水転用こそが有効だと考えます。ダム建設のように時間もかからず、利水ダム活用の費用負担は生じますが、追加の財政投資もほとんど不要であります。河川、山林をはじめとする環境破壊などのダム建設の副作用もない。今すぐにでも活用可能で、極端な話ですが、この6月梅雨時期からの対応も可能だと考えます。  いずれにしても、ダムは、有効な治水対策であることは否定するものではありません。つまり、既存ダムの有効利用などあらゆる手段を用いて、一番大切な命を守ることが大前提であります。そのことをまず申し上げ、私の疑問点についての質問をお伺いいたします。  また、質問に入る前に、午前中の目片議員の地元愛にあふれた質問に敬意を表します。その上で、質問に入らせていただきます。  まずは、先日の記者ぶら下がりで、喜撰山ダムなどを有効活用する案はの記者の問いかけに対しまして、「この間の経過で琵琶湖淀川水系で大戸川ダムを含む案が最も有利だという結論が出されている。この間、菅政権で、利水も治水に活用、リスクを減らしていく検討がなされ、一部事前放流などで効果がある取組をなされてきて、効果があるのは事実だと思うが、大戸川については様々周辺にある喜撰山ダムを含めて考えても、大戸川ダムは有利であるという結論は、今のこの水系の結論だと思います」と知事は発言されました。  その根拠についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  喜撰山ダムの有効活用につきましては、国が実施した平成20年11月の検証、また、翌年5月の再検証におきまして、確実に利用できるものではないため、計画に位置づけることはできないとされていること、また、平成28年の大戸川ダム建設事業の検証におきまして、周辺の既存ダムの利水容量を洪水調節に利用できると仮定して、淀川、大戸川の改修を追加的に実施する案も含めて検証された結果、最も有利な案は大戸川ダム案と評価されていることから、そのように発言をしたものでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)確実にと、利水ダムの活用で確実にということですが、先ほど申し上げました法律で、今回閣議決定されました。それはまた後で、後ほど言いますが、昨年の、先ほど言いました5月に締結された既存ダムの洪水調整機能強化のための淀川水系治水協定と、新たに今回規定されました河川法第51条のダム洪水調節機能協議会との関係について、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) お取り上げいただきましたダム洪水調節機能協議会につきましては、既存ダムの事前放流の取組の拡大について協議するため、改正河川法において新たに設けられるものと承知しておりますが、その具体的内容については、今後明らかになるものと考えております。  淀川水系におけるダムの事前放流につきましては、昨年5月に締結した淀川水系治水協定に基づき取組を開始したところであり、その取組のさらなる拡大について、この協議会において議論されるものと考えているところです。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)1つ前の質問の関係ですが、代表質問のときにも答弁されました。喜撰山ダムにつきましては、確実に利水容量を洪水調節容量に利用できるものではないため、治水計画に位置づけられないと伺っております。これ、先ほども答弁されましたが、その根拠についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 喜撰山ダムが確実に、今、お尋ねのあった利水容量を洪水調節容量に利用できるものでないため、治水計画に位置づけられないとお答えさせていただいた根拠につきましては、国が平成20年11月に実施した喜撰山ダム等既存施設の有効活用に関する検討および平成21年5月に実施したその内容の再検討において、喜撰山ダムは確実に利用できるものでないため、治水計画に位置づけられないと結論づけられていることによるものです。  また、平成20年12月に本県が喜撰山ダムの管理者である関西電力にダムの有効活用について要請したところ、同ダムは発電専用施設であり、計画的に治水運用を行うことができないが、緊急時に河川管理者から要請があれば、できる限り協力する旨の回答をいただいたところであり、昨年5月には事前放流に係る淀川水系治水協定の締結にも御参画いただいているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)それでは、喜撰山ダムの洪水調節可能容量についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 淀川水系治水協定に基づく喜撰山ダムの事前放流による洪水調節可能容量は、最大で497万立方メートルと承知をしております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)御承知のように、喜撰山ダムは揚水発電でございまして、当然、関西電力の持ち物であります。要は、夜の間に、電気を利用して水を上げて、そして、昼間にその落差で発電するということです。  先ほど知事の答弁にもありましたように、協力できないことはないと、こういうことです。当然、これ国の法律ができましたので、よりですね、その活用範囲は、可能性が出てきているなと私は思いますが、その辺は、ちょっと後でまた質問します。  次に、高山ダム、日吉ダム、青蓮寺ダム、比奈知ダムのそれぞれの洪水調整可能容量についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) まず高山ダム、順番に、事前放流による洪水調節可能容量を最大で申し上げます。まず高山ダム、こちらは木津川流域の名張川にあるダムでございますが1,750万立方メートル、日吉ダム、こちらは桂川流域の桂川にあるダムでございますが1,955.2万立方メートル、青蓮寺ダム、こちらは木津川流域の青蓮寺川にあるダムでございますが、こちらは1,540万立方メートル、そして、比奈知ダムにつきましては、これは木津川流域の名張川にあるダムでございますが980万立方メートルということでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)今の洪水調整可能容量について、それぞれの4ダム、さらに喜撰山の分も足しますと6,700万トンを超える洪水可能容量になります。これは後ほどお聞きしますけど、大戸川ダムと比較するとどうなるかということですが、それまでに、まず淀川水系のダムに水利権を持つ大阪府の企業団体や大阪府などが、水需要の減少により、4ダム、今言いましたように、高山ダム、日吉ダム、青蓮寺ダム、比奈知ダムで合計1,890万トンの水が余っているという報告をしていることについては、承知されておりますでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 承知をしております。平成24年に、国が川上ダムの検証を行うため、洪水調節等に活用可能な利水容量について、各利水者に照会を行ったところ、その容量の合計が1,890万トンであったことは承知しています。なお、活用可能な利水容量が定量化できないと回答した利用者がいらっしゃったということですが、その利水容量については、全量活用できるものと仮定して計上されているとのことでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)それでは、次に、先ほどもちょっと4ダムの合計を聞きましたけれども、大戸川ダムの治水容量についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) 国の大戸川ダム建設事業の検証において示されている数字で申し上げれば、大戸川ダムの治水容量は2,190万立方メートルとされているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)先ほどお答えいただきました、これは洪水調整可能容量全体ですが6,000万トン、今の大戸川ダムの治水容量2,190万トン、約3倍ぐらいの数字になります。  次に、4ダムの未利用分と大戸川ダムの治水容量との比較についての知事の所見をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 議員お尋ねの4ダムは、大戸川ダムが受け持つ宇治川流域とは異なる桂川流域および木津川流域のダムでございまして、宇治川や大戸川への効果が出ないということは、まず、言うまでもないことでございます。また、淀川水系の治水計画において対象とする雨の降り方が面的かつ時間的に様々あること、ダムから淀川までの到達時間が異なることなどから、治水容量が仮に同じであっても、3川合流後の淀川における効果は同じではなく、その数値だけで単純に比較することはできないと認識しております。  大戸川ダム建設事業の検証におきましては、昭和28年台風13号洪水を対象に、これら4ダムの未利用分を洪水調節容量に利用できると仮定して解析を行っており、3川合流後の淀川における低減効果は、4ダムの毎秒約200立方メートル、もう一回言い換えます。低減効果は4ダムの毎秒約200立方メートルに対し、大戸川ダムは毎秒約400立方メートルと、異なっているという状況がございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)いずれにしましても、後ほど説明しますが、淀川水系全体で、やっぱり考えるべきだと、このように思いますが、後ほどまた、それは進めます。
     次の質問に行きます。大戸川ダムの建設費用についてお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 令和2年8月に開催された第14回淀川水系ダム事業費等監理委員会で示された資料における数字で申し上げますが、大戸川ダムの建設費用は約1,080億円とされているところでございます。  なお、参考までに、既に執行済みが約740億ございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)次に、大戸川ダムの建設期間についてお伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) こちらも大戸川ダム建設事業の検証において示されている数字でございますが、大戸川ダムの建設期間は、ダム本体工事に8年程度、それに先立つ調査検討に4年程度要する見込みとされていると承知しております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)次に、我が会派の代表質問で、知事は、本県といたしましては、国の関係者による検討、調整の状況も踏まえ、淀川水系全体の流域治水に貢献できるものであるならば、必要な意見を述べてまいりたいと存じますの具体的な意味について、お伺いをいたします。 ◎知事(三日月大造) そのとおりの意味なんですけれども、もう少し申し上げますと、淀川水系4ダムにつきましては、大阪府等の水需要が減少していることも踏まえつつ、今後、国が中心となって利水者も含めた関係者の協力の下、ダムの利水容量を永続的に洪水調節に利用することも含め、治水安全度の向上に向けた検討が行われるものと理解しております。  一義的には、滋賀県は関係者に含まれないと考えておりますが、淀川水系の流域治水を国や府県と連携して進める立場から、その検討や調整の状況を注視し、必要ならば、利水容量の洪水調節への利用の実現を後押しするという意味で申し上げたものでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)(資料掲示) 配付済みの配置図を見ていただきたいと思います。それで、今言いましたように、これ、淀川水系の全体図です。これは琵琶湖です。それと、ここは洗堰ですね、瀬田川。そして、今、話が出た3川合流というのは、この地点です。桂川、宇治川、木津川と、この3地点です。喜撰山ダムが天ケ瀬ダムの近くにございます。  今言いましたように、全ての水位の問題とか洪水調整能力は、全て、全部つながっています。全部影響します。ただ、ちょっと鹿跳渓谷というのが大変ネックになっておりますが、それを除けば、全て関連をされているということであります。これを見てもらったら一目瞭然であります。  そして、最終的には、この淀川の水位をどうするかということですが、当然、淀川については、高山ダム、そして、布目ダム、青蓮寺ダム、比奈知ダムということで、この辺が利きます。京都府知事が言われている桂川については、この日吉ダムが利くわけであります。  そこで、この全体図を見ながら、もう一度御質問をいたします。桂川の氾濫を防ぐための河川改修で、3川合流部の下流部の淀川、枚方地点への影響ですが、枚方への影響は、最も大きいのは木津川で6,200万トン、次いで桂川で5,300万トン、宇治川で1,500万トンしかありません。宇治川の天ケ瀬ダム貯留地のさらに上流部の大戸川ダムで約2,000万トンに依存する前に、喜撰山で約500万トン、これは先ほど言いましたように条件つきでありますが、利水の転用、桂川での日吉ダムが320万トンの利用、木津川上流の高山、青蓮寺、比奈知ダムが合計1,670万トン、全て足すと、喜撰山を除いても1,890万トンの既存ダムの活用方法ができるということになります。  早く、安く、確実に大阪府下の浸水被害のリスクを低くし、桂川洪水、氾濫を防ぐ対策としても有効ではないでしょうか。知事の所見を伺います。 ◎知事(三日月大造) 見解を異にいたします。先ほども申し上げましたが、喜撰山ダムは、確実に利水容量を洪水調節容量に利用できるものではないため、治水計画に位置づけられないと結論づけられております。また、御指摘の4ダムにつきましては、大戸川ダム建設事業の検証において、その利水容量を洪水調節に利用できると仮定して、淀川、大戸川の改修を追加的に実施する案も含めて検証された結果、最も有利な案は大戸川ダム案と評価されております。  こうしたことから、淀川水系における治水対策といたしましては、喜撰山ダム等の既存施設の治水活用に比べ、大戸川ダムが有効であると認識しております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)利水ダムの活用で、今の水の、そういう小水で確実にということで、私は踏まえていますが、知事はそこは確実ではないと、こういう、かなりそこが違うなと思いますが。今回、先ほど冒頭に申し上げましたように、国が今閣議決定した内容は、昨年の事前放流の協定よりもさらに確実視させるような協議会をつくって、そして事前に調整をすると、こういうことの法律の枠組みをつくったわけですね。これは、当然、法律の改正もありますし、川の中だけでは、もう今のこの温暖化には対応できないということで、川の外に向けて、土地利用の問題も含めて変えていこうと、こういう発想ですので、そこは確実に利用できるような法的な枠組みができていくと私は考えているんですが、その点について、もう一度知事の見解をお伺いいたします。 ◎知事(三日月大造) 申し上げるまでもなく、上流、下流の連携が大事です。かつ、この琵琶湖淀川水系については、琵琶湖があって、淀川、宇治川、そして瀬田川、さらには桂川、木津川など、非常に入り組んだ河川、その上にどういうふうに降雨が落ちてくるのかと。それ以前がどういう湿潤状態にあるのかということが水害に影響するという、大変難しい河川流域、水系であるということでございます。  おっしゃったとおり、川の中だけではなくて、川の外の対策を含めた対策が重要である。この流域治水の在り方については、今後もさらに追求し、また、高めていかなければならない、そういうテーマだと思いますし、治水ダムだけではなくて、利水ダムも含めて、事前放流を活用していく、このことは大変重要なことだと思います。  しかし、治水計画に位置づけられる確実性がそれらのものにあるかというと、私はないと思います。行政のトップとして、そういう計画に位置づけられないものを含めてダム計画を考えるということに、その不安定さを容認することはできないという立場で、私は申し上げているところでございます。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)菅総理が泣かれますね。命を救うということで、やっぱり、様々な対応を取っていこうということと、特に今ある、そういう有効なダムなんかもしっかりと有効的に活用すると、そういう考えの下に今回の閣議決定が僕はあろうかなと思います。  要は、川に閉じ込めるというのでは、もう限界が見えている。先ほど、冒頭1個目の東日本大震災の田老町の防潮堤の問題でもそうですが、自然に勝つには、これも限度がないと思います。想定外ということは当然考えなきゃいけません。そういうことからすると、やはり、そこは多くの多様な選択肢の中で検討していくということと、確実にということも、今度法整備ができますので、当然そういう利水管理者に対しても法的な枠はかかるわけでありますので、そこは少なくとも今ある利水の余剰分、そこは、僕は確実に使えるんだろうと。喜撰山ダムについては、当然これは、もし想定していた洪水がなかった場合は、それは、その分の補償を関西電力に支払うということは出てくるとは思いますが、ほかの4ダムについては、まさに余っている、利水でありますので、その分は確実に私は使えると、このように思いますが、再度知事に見解を求めます。 ◎知事(三日月大造) おっしゃったとおり、私は、利水容量を活用した洪水調節機能というのは、否定しておりません。これは大いに活用して、事前放流等を行うことで生み出していくべきだと思っています。そのために、改正河川法の中に位置づけられる協議会を大いに活用していくというものです。  ただ、議員も御承知の上でおっしゃっていると思うんですけど、木津川の上流にある3つのダムですとか、桂川上流にある日吉ダムというのは、それぞれの流域には利きますし、下流にも一定効果はありますけれども、大戸川流域ですとか琵琶湖の水位に影響する天ケ瀬ダムへは利いてこないということがありますので、そういった事々を考えて、やはり、県民の命を守るための選択肢は、私は、ありとあらゆるものを川の中の対策としても持っておきたい。ただ、もちろん川の中の対策だけで防ぎ切れないので、川の外の対策と組み合わせて、ソフト、ハード両面で命を守っていくということが肝要なのではないかと考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)先ほどこの水系の全体図をお見せしましたが、要は琵琶湖の水位も含めて、大戸川ダムの効果については、以前検証もされましたけども、私は、以前から我が会派も言っていますが、やっぱり、鹿跳渓谷の改修が一番大きなネックだろうということは以前から申し上げております。それで、天ケ瀬は今、再開発が進んでいます。そういうことからすると、大戸川というのは、洗堰の超えたところに流入しておりますので、基本的に水位の関係とは今議論が違うと思いますが、いずれにしても、その鹿跳の改修というのは、いずれやらざるを得ないと私は思います。  そういうことからすると、この大戸川ダムについて、本当に1,000億以上もかけて、今、建設すべきなのか。ちょっと質問を変えますと、この未利用の部分を活用できるということであれば、大戸川ダムの規模、これだけの規模のダムが本当に必要なのか、その辺について、ちょっと知事の見解を改めて問います。 ◎知事(三日月大造) まず、繰り返し申し上げているとおり、取り上げていただいている4つのダムは、流域が異なりますので、宇治川、大戸川への効果が出ないということがあります。また、国が現行の河川整備計画の策定をするに当たり実施した解析においては、宇治川流域の氾濫を防ぐためにも、大戸川ダムの治水容量のおおむね全てが必要であるという結果が示されております。また、大戸川ではダム計画との整合を図り、おおむね10年に1度の降雨に対応するための整備を行っているところでございます。  今後、気候変動の影響による水害のさらなる激甚化、頻発化が見込まれていることも踏まえると、大戸川、宇治川、淀川の安全度を向上させ、瀬田川洗堰の全閉時間の短縮などの効果も期待できる大戸川ダムの治水容量は、減らすべきではないと考えております。 ◆39番(江畑弥八郎議員) (登壇)本当に何のための利水ダムの転用なのかということになります。せっかくこの法律ができるわけですので、当然それを見込んだ治水計画で、私は、あるべきだろうと、このように思います。なかなか私と知事との間には、かなり考え方の違い、理解の仕方が違うなと、こういうふうに思ってますが、いずれにしましても、これから流域で委員会を開かれて、様々な観点で議論されると思います。前回の流域委員会のときも、数年かけて、地域の皆さん、住民の皆さんとの議論もされましたので、ぜひそこは、滋賀県としても慎重に、様々な意見に傾聴していただいて、議論を参画していただきたいと、このように思います。  知事は、ポストコロナの社会の在り方の中で、露見した制度疲労は変えていかなければならないと、こういう発言をされました。私は、本当にこの流域治水の考え方が、今、大きな転換期であるなと、このように位置づけております。  まさに、最初、東日本大震災のときも問いましたが、自然との共生、これが私、大きなキーワードだろうと思います。ダムは、絶対必要でないとは言い切れませんが、あるダムを有効活用するということは、私は決して間違ってはないと、このように思います。そこらを含めた流域全体の計画をしっかりともう一度考えていただきたいと、そのことを最後に申し上げまして、また、議論はいろいろと進んでいくだろうと、このように思いますので、改めてこの続きはさせていただきます。  残り1分ぐらいになりましたので、この辺で私の質問を終えます。ありがとうございました。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、39番江畑弥八郎議員の質問を終了いたします。  次に、13番杉本敏隆議員の発言を許します。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇、拍手)新型コロナ危機は、レントゲンにかけたように社会のもろさや弱さ、矛盾を明るみに出しました。この1年を踏まえ、どのような来年度の予算を組むかは、県民の命を守れる県政かどうかの試金石です。  最初に、新型コロナウイルス感染症の拡大と、その対応の中で、県政の中で脆弱点がどこにあると認識されているのか、知事にお尋ねいたします。 ○議長(細江正人) 13番杉本敏隆議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  新型コロナウイルス感染症により、医療・保健システムの脆弱性や東京一極集中のリスクなど、多くの課題が顕在化いたしましたが、組織運営上の課題に限定して申し上げれば、次の2点が挙げられるのではないかと思います。  1点目は、昨年の1月29日に新型コロナ感染症対策本部を立ち上げて以降、全庁的な応援体制を構築するまでに時間を要し、危機管理機能を一層強化する必要性を感じたこと、また、2点目といたしまして、感染症対応に精通した技術職員が少なくなってきている中で、感染症に備える体制が十分でなかったことが挙げられます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)私は、危機に対応できない人員不足が一番の根底にあるというふうに考えております。  次に行きます。知事は、今議会冒頭の提案説明の中で、これまでの価値観や仕組みなどを見直す時期に来ているという趣旨の発言をされました。  私は、これまで、ここで国体が当初の意義を失ってきていること、開催県に多大な財政負担を課す問題、開催県が総合優勝する仕組みなどを指摘し、国体について、価値観や仕組みの見直しの必要性を指摘してきました。新型コロナ危機は、国スポの価値観や仕組みの見直しの必要性をより鮮明にしていると思います。  ところが、来年度予算では、国スポ予算が大きく伸びています。見直すべきではないでしょうか。知事に質問いたします。 ◎知事(三日月大造) 国スポ大会、障スポ大会の開催は、県民がスポーツに親しむ環境づくりや健康の保持増進につながりますほか、地域経済の活性化や全国への滋賀の魅力発信、さらには県民が地域に誇りや愛着を持つことにつながるなど、様々な効果があると考えております。  国スポ・障スポ大会の開催準備におきましては、競技会場となっている各施設の整備について事業費の抑制に努めながら、着実に進めているところでございます。  また、運営面におきましても、現在、一部競技の県外開催や、競技用具の他県との共同利用などを検討しているところでございますが、具体的な検討を進める中で、さらなる見直しや精査を行ってまいりたいと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)しっかり見直していただきたいと思います。  次に、提案説明の中で、感染症対策の不十分さがコロナ禍で顕在したという趣旨の発言をされましたが、具体的にどういうことを指しているのか、知事にお尋ねいたします。 ◎知事(三日月大造) 我が国では、明治以降、公衆衛生行政は、コレラや結核といった感染症対策に重きが置かれてきましたが、戦後、公衆衛生の向上により、感染症の流行は抑えられ、近年ではより積極的な健康増進の対策に重点が移行してきたところでございます。  また、保健所の業務といたしましても、感染症対策に比して、精神保健福祉、難病対策などの比重が大きくなってまいりました。  このような中、感染症対策に精通した技術職員が少なくなってきていることに加え、医療体制や検査体制においても課題は多く、今回のような感染症のパンデミックに対して十分に対応できる体制ではなかったと総括をしております。  今回の新型コロナウイルス感染症の経験により、感染症対策の重要性を改めて認識しており、平時から健康危機管理体制をどのように構築できるのか、今後検討を重ねてまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)今おっしゃったように、保健所について、2000年代に入っての地方分権改革によって、保健所は自治体が担う様々な健康問題への対応が求められ、その業務が膨大化、複雑化するとともに、その役割が高まりました。現在、保健所が担っている業務はどのようなものか、健康医療福祉部長に答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) (登壇)お答えいたします。  平成9年の改正地域保健法の施行によりまして、市町が住民に身近な保健サービスを担うのに対しまして、保健所は専門的、技術的業務や、市町に対する広域的、専門的な立場での支援を行うこととされました。以後、保健所に求められるこれらの役割を適切に果たしながら業務を行ってきたところでございます。  具体的に申し上げますと、感染症対策をはじめとして、難病や精神保健、母子保健、あるいは食品衛生、生活衛生、医療監視などに係る業務を行っているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)事前に各保健所の事務分掌表を頂いたんですけども、おおむねどの保健所でも4つの係があって148の業務が行われています。こういう中で、このコロナの対応の中で、昨年度の保健所の業務はどのように執行されたのか、あるいは執行されなかったのか、部長に答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  保健所では、新型コロナウイルス感染症が発生しました後、その対策に集中的に取り組む必要がありますことから、平時の業務については、医療機関への立入検査を書面の提出のみにいたしたり、難病や精神保健、周産期医療等の分野で会議や研修を中止するなど、簡略化を図ってまいりました。  一方で、申請者の経済的負担に影響する特定不妊治療の医療費助成事務や、救急対応が必要な精神保健関係業務など、停止することができないものもありますため、業務継続計画に従いまして、優先順位を考慮しながら事務を執行してまいりました。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)保健所でお話を伺いますと、通常業務は必要最低限にとどめていると、とどめるしかなかったというふうに聞きました。  そこで、代表質問への答弁で、知事は、来年度は保健所に配置する保健師を増員すると言われましたが、どのように職員体制を強化するのか、健康医療福祉部長に答弁を求めます。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  来年度は、保健所に保健師計7名を増員配置いたしまして、保健所の対応力を強化するとともに、引き続き会計年度任用職員の雇用も行っていくことを予定しております。  応援につきましては、必要に応じ、兼務の事務職員の配置、また、クラスターが発生した際、本庁からの技術職の派遣など、これまで整えてきた体制も継続していきたいと思っております。  また、来年度より、国立感染症研究所が行う疫学専門家養成研修に獣医師や保健師を派遣するなど、感染症対策の専門的知識を持った職員を養成するとともに、今回、感染症対策を多くの職員が経験をいたしましたことから、その経験を生かし、今後起こり得る感染症に的確に対応できる体制とするなど、質の面での強化も図ってまいりたいと思っております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)保健師7名増員の根拠をお尋ねいたします。 ○議長(細江正人) 質問者は、答弁者を。 ◆13番(杉本敏隆議員) 部長にお願いします。 ◎健康医療福祉部長(川崎辰己) お答えいたします。  保健所の業務の実態を見ながら判断をいたしたところでございますが、クラスターが発生した際、本庁から1回当たり1人から2人の応援を派遣しているというのも目安とし、必要な新型コロナウイルス感染症対策が引き続き行えるようにするということと併せまして、将来的にも今回の経験を生かし、感染症対策を担える人材が配置できるような体制も目指しているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)最後に、知事にお伺いいたします。県民の健康と命を守るためには、感染症対策の最前線に立つ保健所の拡充、強化が求められていると思います。今、明らかにしましたように148の業務を通常行われなければならない中で、非常に人員不足が深刻になっているという問題がありました。そういう点で、来年度からの予算で、もっと抜本的に人員体制を強化すべきだと、それと併せて業務の見直しを抜本的にやるべきだというふうに思うんですけども、そこら辺のことを知事にお尋ねいたします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  来年度の保健師の増員等により、当面、必要な体制強化を図ることができたと考えておりますが、より長期的には、来年度実施する県保健医療計画の中間見直しにおける2次保健医療圏域の議論を踏まえた保健所の在り方の検討に加え、今回の感染症対応を検証し、保健所に求められる機能を果たすことができる体制について考えてまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)しっかりとした体制の確立を求めたいと思います。あわせて、前回質問しましたけども、彦根の保健所が非常に老朽化して、狭いというふうな問題も早急に解決していただきたいというふうに求めておきたいと思います。  次に、琵琶湖漁業について質問をいたします。  知事は、高齢化による漁業者の減少を提案説明の中で指摘されましたが、琵琶湖漁業の危機について、どのような認識を持たれているのか、知事にお尋ねいたします。 ◎知事(三日月大造) 琵琶湖漁業は、漁場環境の悪化や外来魚、カワウなどの食害などにより、水産資源が著しく減少し、令和元年の漁獲量は811トンと、依然低迷した状況でございます。  また、いわゆる魚食離れの状況が全国的にあります中、とりわけ琵琶湖産魚介類は、地域性が強く、認知度が低いことなどから、その傾向が顕著に表れていると認識しています。  さらに、琵琶湖の漁業者は、平成30年の統計によりますと、6割が65歳以上となっておられ、今後、高齢化による減少は避けられない状況にございます。  これら様々な要因により、独自に発展した琵琶湖漁業や食文化の存続が危ぶまれる危機的状況であると認識しているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)まさに私は、存亡の危機に瀕しているというふうに思います。これまで、私はここで、琵琶湖漁業の問題では、環境悪化に起因する水産資源の減少の問題を主に取り上げてきましたが、湖魚の流通問題も、今おっしゃられたように深刻で、危機に拍車をかけています。湖魚の流通が大幅に縮小した要因についてどう考えているのか、農政水産部長にお尋ねいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) (登壇)お答えいたします。  まず、琵琶湖漁業に特徴的なことといたしまして、最重要魚種のアユにおきましては、友釣りなどの遊魚者の減少により、河川放流用の活アユの需要が急速に低下していることがございます。  さらに、全国的に魚食離れが言われる中、漁獲低迷が長期間継続することによりまして、流通経路が乏しくなるとともに、琵琶湖の魚を販売する店舗も減り、県民の皆さんが利用する機会が著しく減ってきていると考えております。  このような状況の中、琵琶湖産魚介類につきましては、主に京阪神の料理店や、県内のつくだ煮加工用原料となりますなど、特定の観光、外食産業等との強い結びつきによる流通が大部分を占めてまいりました。  そこへ、今回のコロナ禍により、中心的な販路を失ったことによりまして、湖魚の流通停滞が生じ、大きな影響を受けていると認識をしているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)もう少し詳しい答弁を予想していたんですけども、アユの問題については、遊魚者が減って、アユの友釣り用のアユの出荷が減ったいうお話でしたけれども、根本的な問題は、1990年代の終わり頃に冷水病というのがアメリカから入ってきて、琵琶湖のアユが大変に弱くなったと。それまでは、漁師が取ったアユを池に入れて、すぐに県外に出荷していたと。ところが、今は、それをやれば、川に放流した時点で、冷水病のせいで全部死んでしまうと。だから、一旦取ったアユを県内の養殖業者が育成をして、丈夫にして、それを県外放流すると。こういうことで、アユの弱体化いうのが全国シェアの低下につながったと。  それからもう1つは、各河川でいろんな工事が行われたときに、補償工事として人工種苗の施設が各都道府県に造られていると。ここで人工種苗で育てたアユを河川へ放流するように回したいうことが、河川放流用のアユの大幅な減少につながっていると。それで、一時は、全国の河川放流の7割が琵琶湖産アユだったのに、今では1割から2割しか全国に出荷できないという問題が起こっていると思います。ここは、琵琶湖漁業に非常に大きな打撃を与えているというふうに思います。  それからもう1つは、エビなんですけども、スジエビは、エビでタイを釣ると言いますけれども、外海の釣り餌としてですね、まき餌として、こういうブロックに固めて、冷凍して、それをパンというんですけども、それを大量に滋賀県から外海へ出荷していた。釣り餌用に生きたエビを、琵琶湖の湖産の生きたエビを出荷していたと。これ、エビは1年を通じて漁獲できる唯一の魚種であって、漁業者の非常に大きな収入源になっていたと。  ところが、これが、南氷洋で取れてきたオキアミを未来のタンパク源として食用にするというふうに持って帰ってきたんだけども、あまりおいしくないので、オキアミが釣り餌に回されるようになって、安いものだから、琵琶湖のアユが釣り餌として、まき餌として使用されなくなったと。  それからもう1つは、韓国や中国から生きたエビが安価に入ってくると。こういうことで、琵琶湖のスジエビがほとんど県外へ出荷されないようになってしまったというふうな問題も、今の琵琶湖の漁業の流通の危機に拍車をかけていると。  そういう点で、県内だけでなしに全国的な視野で、この流通問題について対策を立てることが必要だと思うんですけども、部長の答弁をお願いいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  アユ、エビ、かなり詳細に御指摘を賜りました。まさに短くお答えいたしましたが、そういった経過がある、そのとおりであるというふうに思いますし、また、これは本県の取組だけで成り立つことではない部分で需要が減ってきたということも、非常に大きい部分がございます。  今後につきましては、流通の中でも、とりわけ食用の流通をしっかりしていくことによって、この状況を打開してまいりたいというふうに考えておりまして、来年度予算でもそういったことに着手するための予算を計上して、審議をお願いしているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)次に行きます。  今、検討されている次期農業・水産業基本計画原案について質問をいたします。原案では、5年後に漁獲量を900トン、新規就業者を10人増やすとしています。他方で、漁業就業者数は、2003年以降5年間に約150人ずつ、年間30人減少しています。この漁獲量と就業者数、および、もうかる漁業は、どのように関連づけられているのか、整合性が取られているのか、農政水産部長にお尋ねをいたします。 ◎農政水産部長(西川忠雄) お答えいたします。  基本計画の成果指標の設定に当たりましては、漁業者が急速に減少することによって、漁獲量も減少いたしますため、漁業者の減少予測を基準にしまして、計画に位置づけた新たな施策により期待できる漁業者数の増加、また、それ以外の様々な施策を通じて上がってまいります漁獲効率や単価の上昇等も基にしながら、漁獲量を試算したものでございます。
     その結果、現状のベースで漁業者が減少し続けますと、令和7年には、漁業を主とする漁業者が130人程度に減少してしまう。その際の漁獲量は、このままですと520トン程度に落ち込むのではないかという推測をしております。  これに、新たな施策の実施により、研修等を通じた新規就業者10名のほか、漁業を主としない漁業者からの転換20名程度を見込むことにより、160人の精鋭の漁業者を確保し、そのことにより、令和元年の811トンの漁獲量を令和7年には900トンにまで引き上げたいというふうに考えているものでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)机上の計算ではそういうふうになるかも分かりませんけど、現実的には非常に難しい問題だというふうに思うんですけども、最後に知事にお伺いしますけども、もうかる漁業に転換すると言われました。10年後に年収1,000万というお話されましたけども、もうかる漁業というのは、どういうことを想定して、こういうふうに出てきているのか、知事に質問いたします。 ◎知事(三日月大造) 次期基本計画におきましては、加工、養殖等、市場の需要にしっかりと応えることのできるもうかる漁業といたしまして、1つは、市場のニーズを意識した漁獲が実践され、2つ目といたしましては、漁業組織と漁業者が戦略を共有し、琵琶湖漁業が一体となって主体的に湖魚を販売していること、また、3つ目といたしまして、少人数でも行える効率的な漁業が可能となるような漁業制度が整備され、4つ目といたしまして、併せて漁獲情報の一元化などによる水産資源を適正かつ最大限に活用した漁業が展開されているという姿を描いているところでございます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)一昨年の12月に宍道湖のシジミの話をしました。ぜひそこに学んでほしいというふうに私要望したんですけども、あそこではシジミ漁業について厳格な資源管理をして、漁師は3日間は1週間のうち休まなければならないと。1回の操業時間は3時間以内、取る量は100キロ以内ということを厳格に守って、流通も安定した価格で販売するということで、宍道湖では年間4,000トンの水揚げですね、シジミだけで。琵琶湖の4倍以上の漁獲を上げていると。それで、安定した収入が、大体五、六百万円の収入があって、空いた時間で副業もできる。それから、水産多面的事業で、漁場の耕うんや水草取りで、そこでも収入を得られるということで、若い人が漁業に就いているということが実際に今行われていて、発展をしております。  こういうところに学んで、この資源管理と流通の改善、これにぜひ力を入れて、この危機を乗り切るための力を尽くしてほしいということを再度知事に求めたいですが、再度答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) おっしゃったように、資源管理ですとか流通の改革、そのことによる水産資源の価格を保障し、もって所得を保障していくというのは、極めて重要なことだと思いますので、学べるところから全て学び、滋賀県漁業を、琵琶湖漁業を強化するために全力を注いでまいりたいと存じます。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)最後に、長浜バイオ大学ドームの人工芝の張り替えの不良工事について質問をいたします。  長浜バイオ大学ドームの人工芝の張り替えが昨年度行われました。それで、この写真を見ていただきたいんですけども、(資料掲示)このように非常に波打っています。凸凹なんです。非常に広い範囲でこういう凸凹となっており、不良工事と言わざるを得ません。  テニスの利用者からは、つまずくとか、あるいは、ボールがイレギュラーするなどの声が聞かれます。グラウンドゴルフの利用者からは、凸凹のところは、打った瞬間に曲がってしまうと。芝生を張り替える前よりも悪くなったと。せっかく大金をかけて工事したのに、2億円近くのお金がかかっているんですけども、あまりにもひど過ぎるなどの不満の声が満ちあふれています。これで検査が通ったのかと疑問が出されています。この現状について、知事は、どのように認識されているか、お尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) 議員御指摘の工事につきましては、前回の張り替えから年月が経過し、亀裂や磨耗が生じるなど劣化が進行していたことから、利用者の転倒防止など、安全性の向上を図るため、昨年度、全面的な人工芝の張り替えとともに、部分的な不陸補正を行ったものでございます。  当該工事により、亀裂や磨耗などによる危険性が解消したことから、施設の安全性については一定向上したものと認識しております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)担当課の説明では、この一番上の写真は、これ南西部になるんですけど、ここの凸凹が一番ひどいんです。これは張り替える前からここがひどいのはみんな認識していたんです。担当課のほうも、当初はここを直すという予定でいたんだけども、実際にめくってみると、南東部のほうがひどかったので、そちらを優先して直したと。予算がないので、あとのところは、不陸を直さないで人工芝を張り替えただけというふうな説明が行われました。予算がないので、あとの不陸を直さないで、こんなずさんな工事を通してしまうと。県が行う公共工事がこのようなことでいいのかどうか、お尋ねをいたします。 ◎知事(三日月大造) この工事は、第一義的には、劣化が進行していた人工芝の全面張り替えでございまして、それに合わせて部分的な不陸の補正を実施することについて必要な予算をお認めいただいたものでございます。  まずは、認められた予算の中で優先度の高いものを対応すべきと考えており、今回の工事についても、こういう考え方の下、南東部について優先して対応をしたものでございます。  競技によって様々な特性がございまして、いろいろな御意見があるかと思われますが、劣化した人工芝の全面的な張り替えと部分的な不陸補正工事により、全体として、競技環境は一定向上したものと考えております。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)グラウンドゴルフされている方は、競技環境は非常に悪くなったというふうに皆さんおっしゃっておられます。私は、工事の在り方として、今、原松原線の変更工事とか、それから、RDの変更工事もありましたけれども、いろんな工事をやっていく中で、不備が見つかったら、予算積み増しして、そこを直すというふうに今やっていると思うんですよ。何でこの長浜ドームは、この不陸がこれだけひどいのに、一部だけ直して、ほかのところも直さないと。こんだけ2億近いお金をかけて工事をやって、このような凸凹を通してしまうというふうな工事の在り方でいいのかどうかいうことが問われていると思うんですけども、再度知事の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) 競技場ですから、そんな凸凹があるというのはよくないと思います。そういう中で、今回は芝の張り替えということで、そして一部、認められた予算の範囲内で凸凹のひどかったところ、南東部を主に対応したということでございますので、今後も、こういった状態がどのように影響するのかということについては、現場で注視させたいと思います。 ◆13番(杉本敏隆議員) (登壇)ドームでは、今でもアンケートを取られているんですけども、かなり不満の声が出されているというふうに思います。私は、こんなずさんな工事を認めることはできないと思います。ぜひ改善を図ってほしいということを強く要望して、質問を終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、13番杉本敏隆議員の質問を終了いたします。  最後に、45番節木三千代議員の発言を許します。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇、拍手)それでは、通告に従いまして、2問質問いたします。  まず最初に、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に心からお悔やみを申し上げます。闘病されておられる方々の一日も早い回復をお祈りいたします。  それでは、新型コロナウイルス感染症に係る医療提供体制について、一問一答で全て知事に伺います。  昨年11月から今年の1月にかけて、全国各地で新型コロナウイルスの感染者が急増し、新規陽性者数が全国で春の第1波、7月から8月の第2波に続く第3波と、感染拡大が起こりました。滋賀でも、新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れる病床が逼迫するなどの事態が起こりました。  その対応状況について、知事に伺います。 ○議長(細江正人) 45番節木三千代議員の質問に対する当局の答弁を求めます。 ◎知事(三日月大造) (登壇)お答えいたします。  年末年始にかけて医療機関や介護関連事業所等で複数のクラスターが発生するなど、感染者が増加し、一時、確保病床の占有率が90%を超え、病床が逼迫する状況となりました。  このため、医療体制が非常事態にあるとして、1つは、医療機関の皆様にさらなる病床確保を要請し、2つ目といたしましては、第3の宿泊療養施設の開設準備を進め、3つ目といたしまして、病床の運用について、重症化リスクの高い方により重点化することとしたところです。  県民の皆様には、これ以上病床や宿泊療養施設が逼迫した場合には、自宅療養をお願いする可能性があることもお示しし、家族やふだん一緒にいる人以外との会食を控えるなど、感染対策の徹底を強くお願いしたところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)2問目についてもちょっと答えていただいたように思いますけれども、1月12日に、知事は、医療体制緊急事態宣言を発せられました。今お話がありましたけれども、今後、低リスクの感染者は、本人の希望によらず自宅療養するとの方針が示され、県民の皆さんの中で大きな不安が広がりました。その経過について、もう少し伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  当時、確保病床の占有率は90.0%、重症者用病床についても37.5%と、逼迫した状況にございました。宿泊療養施設の占有率も50%を超えていたことから、その局面が継続すると、入院が困難となるケースが発生することが想定されました。このため、先ほど申し上げたとおり、医療体制が非常事態にあることを県民の皆様と共有させていただくとともに、この感染拡大状況が続くようであれば、65歳未満の低リスクの方には、原則として宿泊療養としてきたところ、今後は、医師の判断により自宅療養をお願いする場合があるということについて、御理解、御協力をお願いしようとしたものでございます。  なお、その後、おかげさまで幸いにして感染状況が落ち着いてきたことにより、実際には自宅療養をお願いするケースは発生いたしませんでした。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今、御説明ありましたけれども、この1月12日に、自宅療養については、本人の希望によらず、低リスクの感染者は自宅療養とする方針に変えられたのか、もう少し確認したいと思います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど申し上げたとおり、その当時の感染状況が、感染拡大状況が続くのであれば、続くのであれば、65歳未満の低リスクの方に原則として宿泊療養としてきたんですけども、それ以降は、医師の判断で自宅療養をお願いする場合があり得るということについてお知らせし、もって医療体制の非常事態を宣言させていただいたというものでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)昨年の10月14日に、厚生労働省が政令の一部改正を行って、今お話がありましたように、入院の対象の見直しや、また、宿泊療養、自宅療養を求めるという方針も出されましたけれども、その方針の下にやってこられたということでよろしいんでしょうか。 ◎知事(三日月大造) 私どもは、原則としてコロナ感染症陽性と診断された方については入院措置、医療機関で治療を受けていただくということを原則にしておりますし、軽症、無症状の方については宿泊療養施設で、医師の適切な看護、健康観察の下で一定期間お過ごしをいただくということを原則にしておりますが、様々な御事情等により自宅で療養されることを選択される方もいらっしゃいます。そういうことをこれまで取ってきましたけれども、1月上旬の時点では、大変厳しい状況でしたので、これ以降増えるのであれば、自宅療養をお願いすることやむなしと、そうせざるを得ない場合があるということについて申し上げた上で、危機感を共有させていただいたということでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)昨年の10月の政令改正を基に、滋賀県でもコロナ病床全体の数は、6月、最大で450床から、10月は280床へと見直されて、厚生労働省の方針をもって進められてきて、1月12日は、その判断の下に行われたのではないかなというふうに思います。  それでは、自宅療養、宿泊施設利用者で病状が悪化し、入院された方はおられるのか、知事にお聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 先ほどの、お言葉の中で、病床をダウンサイジングしたのは、厚生労働省の指示云々ではなくて、その当時の感染状況を見ながら、通常医療との両立を図るために確保病床を減らしてきたということでございますので、この点はぜひ御理解をいただければと思います。  その上で、今お尋ねの、感染が拡大した昨年の11月初めから今年1月末までの状況におきましては、自宅療養された方は203人いらっしゃいました。そのうち、21人が入院に移行されておられます。このうち、病状の変化により入院されたのは4人でございまして、それ以外の17人の方は、御家族の他の方が陽性であることが自宅療養後に判明され、家族全員で入院に移行されたことなど、症状以外の事情により途中で入院されたというケースでございました。  また、宿泊療養された方は705人いらっしゃいまして、そのうち63人が入院に移行されておられます。これらの方は、発熱が継続されたり、血中酸素濃度が低下するなどにより入院されていると聞いております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今の答弁の中で、自宅療養で4人の方が症状が悪化をして入院をされたということでありました。宿泊療養の方は63人ということでありました。1月、感染が拡大しているときには、全国で自宅療養で体調が悪化をして死亡するという例が56例も生まれていることから、大変懸念の声が寄せられたところであります。自宅での療養は、今は大変少なくなっていますけれども、自己都合であっても、医師の診察が受けられず、自分の病状を進展しているのかどうか、自宅療養は判断をしなければならないというふうに思います。自宅療養という選択肢を作るのではなく、入院することを前提に、方針を変える、方針を持つべきだというふうに思いますが、知事に伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 本県においては、現在も自宅療養は原則として行わないという方針でございまして、65歳以上や呼吸器疾患を有するなど、重症化リスクの高い方は入院、それ以外の方については、軽症、無症状の場合は、原則として宿泊施設での療養とする方針としております。  しかしながら、他の疾病治療との両立を図るためにも、新型コロナウイルス感染症病床を増やすことには一定の限界がありますことから、今後、感染が再拡大した場合、リスクの高い人を優先的に入院させ、リスクの低い人は、自宅療養をお願いすることも想定する必要があります。  また、陽性となられた方の事情により、自宅療養を選択しているケースもございます。そのため、毎日、丁寧に健康観察を行うとともに、症状悪化時等には、医療機関へつなぐフォローアップ体制のさらなる強化を図ってまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)和歌山県の例を紹介したいというふうに思います。感染当初は、容態が急変することがあるから危ないと、そういう和歌山県でのこの認識の下に、必ず入院する方針を今も取っておられます。和歌山県の知事は、無症状の方のうち4割は無症状のまま退院するけれども、6割はその後発症し、その2割は重症化する、残念ながらお亡くなりになられた方もお1人あった、これは和歌山県での実情だと思いますけれども、無症状だからといって決して甘く見てはいけないというふうにおっしゃっておられます。  家族でお1人感染者が生まれた場合は、小さな子供さんや、また、介護が必要な方も一緒に入院をしてもらって、家庭内感染を防ぐ。そして、その分は医療保険の対象になりませんから、県が病院に対して補助をするということで、自宅療養という選択肢を示していないという現状であります。  自宅で命が奪われることがあってはならない、これは知事も同じだと思いますけれども、そういう立場で、方針、見直されるべきだと思いますが、再度伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 基本、本県も、また現在も、自宅療養は原則として行わないという方針で臨ませていただいております。  ただ、宿泊療養施設を活用しながら、限りある医療資源を、コロナ対策はもちろんのこと、その他の疾病も含めて有効に活用していただくということですし、コロナについて申し上げれば、様々な御事情がある中で、自宅での御療養を選択される方もいらっしゃる。その場合は、きちんと健康観察、フォロー、ケアをしていくということだと思います。  ただ、1月の時点ではそういう状況でありましたので、今後増えるようであれば、そういうことをお願いせざるを得ないということについて、皆様方にお願い共々申し上げたと、共有させていただいたということですので、今後は、そのような状態が起こらないように、感染予防対策と、また必要な確保病床をしっかりと取っていくということに努めてまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)実際に入院を希望されても、逼迫している状況もあって、自宅療養という方もおられて、滋賀民報の取材に応じた方も、1日1回の体調の聞き取りであって、非常に自宅療養は、診察も薬もないし、もし急変したらという大変不安な思いで過ごされたというふうに思います。原則はしないということですが、選択肢として自宅療養も、方針として打ち出されたというふうに私は、原則はしないと言いながら、打ち出されたというふうに思いますので、その点はしっかりと不安の声に応えていただきたいと思います。  次に、現在のコロナ病床、今後のピーク時の病床数について、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 現在の新型コロナウイルス感染症患者の入院受入れ病床につきましては、20病院で332床確保しているところです。ピーク時に確保する病床数につきましては、2月12日に滋賀県新型コロナウイルス感染症対策協議会を開催いたしまして、協議を行うなどいたしました結果、病床350床を確保するよう計画の見直しを行ったところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)350床をピーク時で確保するのは、大変医療機関や医療従事者の方々への支援が私は不可欠だというふうに思います。第3波のコロナ感染の急拡大の下でコロナ病床の確保では、医療現場でのかなりの負担になったというふうに私は理解していますが、知事の認識について問います。 ◎知事(三日月大造) 私も同様の認識を持っております。医療の最前線で、年末も年始もなく、昼も夜もなく、御奮闘いただいている医療従事者の皆様方には心から敬意を表したいと思いますし、病院だけではなくて、地域の診療所等においても検査を担っていただいたり、また、後方の療養等を担っていただくなど、感染リスクと闘いながら、県民の皆さんの健康のために、治療のために御奮闘いただいております。心から感謝申し上げたいと思います。  病床確保のためには、現在入院中の皆さんの転院調整ですとか、感染防止対策に必要となる設備、備品の準備などに加えまして、様々な病棟の医師や看護師に対応してもらう必要があったり、勤務シフトの変更、調整で多くの職員に影響を与えるなど、極めて大きな負担がかかっているものと認識しているところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)実際に、1月になってコロナ病床を作られた病院で働く看護師さんからお話をお聞きをいたしました。50床のところ16床、コロナ病床に転換をしたということですが、様々な病院の異動で、56人の看護職員さんが異動されたと、大変負担が重かったというお話もお聞きをいたしました。また、高齢の患者さんが一時、小児科の病棟に行かざるを得なくなって、ベッドの調達に困ったり、また、転院の予定も1週間早まって転院されたりということで、働いておられる方々や患者さんにも大変な負担が強いられたということをお伝えしたいというふうに思います。  そして、看護師さんにお話を聞きますと、本当に患者さんも職員も、物ではないしということをぜひ伝えてほしいというふうに思います。  今も、コロナで家族に会えずに、大変つらい思いをされておられる患者さんの思いに寄り添いながら、看護を行っておられる方々、職場で働いておられる方が大変多くいらっしゃいます。その負担は本当に相当なものだということをこの1年間しっかりと受け止めていただきたいというふうに思います。  そこで、医療従事者に対する、どのような支援があるのか、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 医療従事者への慰労金の交付事業につきましては、早期執行に努め、1月末現在では、約4万人の方を対象といたしまして47億3,000万円余りを医療機関等に支払い済みとしているところでございます。  また、県独自の施策といたしまして、新型コロナウイルス感染症患者の対応に当たる医療従事者の特殊勤務手当や、帰宅困難に伴うホテルの宿泊費用などについて、滋賀県がんばる医療応援寄附を活用して補助を行っているところでございます。  このほか、医療従事者の処遇改善等に対する国の支援制度につきましても、県内医療機関へ情報提供をさせていただいているところです。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)国の制度、そして寄附金による支援だというふうに思いますけれども、この病院では期末手当もマイナス0.1%、平均で3万5,000円の減というふうにお聞きをしています。夏に続いての期末手当の削減で、今のこのコロナ禍の下で、増やして当然のこの期末手当が減らされているという現状が滋賀県でもあります。私は、県として、独自の支援を全ての医療従事者に、直接の支援を行うべきだと思います。働いておられる方々は、私の手元に本当に届かないというふうにおっしゃっておられます。県独自の支援制度を求めるものですが、知事に伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 先ほど答弁したような形で支援をしてきたところでございますし、県として、既に御議決いただいた補助事業については、対象となる方に早期に、かつ着実に届くよう、速やかに手続も進めてきたところです。  また、国の支援制度についても、医療機関が国のコールセンターからタイムリーに回答を得られないときなどには、県が情報収集を行って、県内医療機関で共有するなどして、制度の活用を支援してまいりました。  県独自の施策である特殊勤務手当や宿泊費用の補助につきましても、引き続き必要な額を来年度予算案に計上しているところでございますが、医療従事者をどのように支援していくのかは、全国的な課題であると考えておりまして、例えば診療報酬において、医療従事者の負担に見合った適切な評価がなされるよう、様々な機会を通じて国にも求めてまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)最後に、国に対して、赤字に対する全ての医療機関への補填を求めたいと思いますが、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 国では、県を通じた包括支援交付金による支援のほか、医療機関に対する直接補助や、診療報酬上の臨時的な取扱いを行うなど、様々な支援を行ってきているところでございます。内閣総理大臣も、今年1月28日の参議院予算委員会において、これまでの支援策によって新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた医療機関が基本的に減収になることはないと考えておりますが、仮にそういうことがあれば、政府としてしっかりと責任を持って対応していきたいとの趣旨の御答弁をされておられます。県といたしましても、医療機関に対して、これら支援をしっかりと受けられるよう、情報提供を行うほか、必要があれば様々な機会を捉えて、さらなる財政支援を国にしっかり求めてまいりたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)コロナ患者さんを受け入れた病院と併せて、地域の診療所や、また、一般の病院も本当にこのコロナ感染対策で、すみ分けをしながら頑張っておられると思います。全ての医療機関への補填を求めていただきたいと思いますが、もう一回お聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) まず、このコロナ対策は、大変長期にわたっているということと、医療機関への影響が多く、かつ、広く及んでいるということがございますので、この点、注意深く見てまいりたい。そして、迅速な対応を取ることが必要であると考えておりますので、この点、引き続き現場の状況をよく捉えた上で対応を行ってまいりたいと存じます。  なお、1点ありますのは、先ほど私が追加で答弁した内容の中で、先生が口頭で御指摘いただいた最大確保病床のダウンサイジングにつきましては、私が申し上げた答弁が誤りでございまして、国において入院対象の見直しを行われたことにより、最大確保病床を減らしているということは、本県においてもございました。この点、私の答弁を訂正し、おわびをさせていただきたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)入院の対象を限定されて、全体のピークの病床数を減らされて、宿泊、自宅療養の方針を、県も厚労省の改定に合わせて進めてこられたということを確認しておきたいと思います。  それでは、次に参ります。県立むれやま荘と県立信楽学園の指定管理について、一問一答で全て知事に伺います。  今議会で、この2つの施設を引き続き社会福祉法人グローに指定管理する議案が提案されています。グローの元理事長だった北岡賢剛氏から性暴力やセクシュアルハラスメント、パワーハラスメントを受けたとして、元職員の女性ら2人が北岡氏とグローを相手取り、計約4,254万円の損害賠償を求める訴訟が11月13日付で東京地裁に起こされ、私は11月県議会でも一般質問で取り上げました。  知事として、県民にきちんとしたメッセージを発信されるべきだと求めましたが、その後、発信されたのでしょうか、伺います。 ◎知事(三日月大造) さきの定例会議におきまして、セクハラや性暴力は重大な人権侵害であり、許されざる行為であること、そして、報道されていることが事実であれば、大変遺憾であることを申し上げました。このことは、議場の場で、県民の代表である議員の皆様、そして、県民の皆様に私の思いを申し上げたものと承知をしております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)ぜひホームページなどで、議場のやり取りを見ておられるのはほんの僅かの限られた方ですので、ホームページなどで発信をされることを求めておきたいと思います。  それでは、11月議会で、知事は、まず法人において自主的な調査を行い、また、その結果に基づき、必要な対応を講じていきたい、また、県としてこの調査の報告を求め、それに基づき判断を行ってまいりたいと答えておられます。自主的な調査の結果は、県に提出されたのか、お聞きします。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  法人の自主的な調査結果は、2月末から3月をめどに取りまとめられる予定と聞いておりますが、1月末に中間報告を受けているとのことでございます。中間報告時点での法人におけるハラスメント対応への取組は、おおむね厚生労働省が示す事業主に求められる措置に即した取組であると確認しているとのことでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)中間報告を受けておられるというふうに聞きましたけれども、全体として、指定管理の、今、議案が出ているわけですから、この自主的な調査の結果、結果として、県は受け取っておられるのか、再度お聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 今、申し上げたとおり、中間報告を受けているということでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)中間報告を受けたということですが、グローから書面で中間報告をいただいておられるのか、再度お聞きしたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 書面で中間報告を受けているとのことでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)その中間報告の書面については、要求をしたのですが、担当課からは頂けませんでした。私は、自主的な調査について、知事が11月述べられましたけれども、何ら今ここに、県民の皆さんが見られるという、この公開をするということができてないというふうに思います。ここは、やはり、きっちりと答えていただきたいし、中間の報告であって、全体の結果の報告ではないということは確認をしておきたいというふうに思います。  性暴力やハラスメント行為は、人の尊厳を奪い、普通に仕事をすることを困難にされてきた大変重大な人権侵害であります。この人権が守られていないことを言われているわけで、この自主的な調査の結果は、いまだ届いていないということでありますので、ここは大きな問題だということを指摘しておきたいと思います。  3問目に移ります。自主的な調査の結果を求め、それに基づいて判断すると言われていますが、グローからのこの結果、中間報告は届いているということですが、私たちには明らかになっていません。その中で、なぜ今回、再公募しなかったのか、何に基づいて指定管理者選定委員会で再選定することになったのか、その経過について説明をいただきたいというふうに思います。 ◎知事(三日月大造) お答えいたします。  社会福祉法人グローにつきましては、昨年10月30日に開催した指定管理者選定委員会で、県立むれやま荘および信楽学園の指定管理者の候補者に選定されており、11月定例会議への関係議案の提案は見送りましたが、指定管理者の募集要項に定める欠格事由には該当しないこと等から、その候補者としての地位には変わりがなく、再公募の手続は要しないと考えております。  一方、今回の訴訟の提起を受けまして、県として指定予定期間を5年から3年に短縮する等、指定管理条件を変更したことから、改めて3年間の事業計画等の施設運営方針の説明を求めるとともに、今回の訴訟で問題となった法人のハラスメントへの対応状況等についても説明を求め、指定管理者の候補者として妥当かどうか、指定管理者選定委員会において再度審査を行っていただくこととしたところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)元理事長による性暴力、パワハラ、セクハラ行為が事実であったとすれば、これは欠格事由に当たるのではないかというふうに思います。その点で、事実を県として、調査結果が、報告のまとめが出されていない中で、ここを県として確認をすべきだというふうに思いますが、再度伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 社会福祉法人グローは、訴訟の提起を受けられたものの、指定管理者の募集要項に定める欠格事由には該当しないこと等から、指定管理者の候補者としての地位は維持された状態だと認識した上で、今回の措置を取らせていただいているということでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)性暴力やパワハラ、セクハラ行為があったかどうか、その辺について調査をして、欠格事由に当たるかどうか、これは県が判断すべきではないかと思いますが、再度お聞きします。 ◎知事(三日月大造) 今、述べられたその事実があったかどうか等については、現在、訴訟が提起され、司法の場で争われている問題でございますので、この点について、県が何か関われるというものは、現時点ではないのではないかと承知をしております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)民事の訴訟の問題とは別だというふうに思います。1月28日に行われた指定管理者選定委員会では、グローから説明があったとお聞きしていますが、どのような説明があったのか、どんな議論がされたのか、知事に伺います。
    ◎知事(三日月大造) 法人のほうからは、指定管理条件の変更に伴う事業計画の説明に加えまして、今回の訴訟の提起を受けて設置されたハラスメント対策委員会での検証を基に、相談員の複数配置や外部相談窓口の設置等、安心して相談できる体制の整備、ハラスメント防止の強化のため改定した諸規定や相談体制等の職員への周知、また、全職員を対象としたハラスメント防止等に関する研修の実施等、現在の法人の対応状況等について説明があったとのことでございます。  指定管理者選定委員会からは、訴訟案件の事実関係が不明の中での審査は難しいという御意見もいただきましたが、ハラスメント相談窓口の在り方や職員から相談を受けた際の法人の対応の流れ、理事会と評議員会の牽制機能等、法人の現状や今後の取組方向について慎重に審議が行われ、指定管理を任せることは了とされたと聞いております。  ただし、法人のハラスメント対応や内部牽制体制を含む管理を安定して行う能力については、懸念が残るため、今後の法人の改善状況を見守っていく必要があるとの意見が付されたところでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今のお答えの中で、グローからの性暴力、パワハラ、セクハラ行為について、指定管理者選定委員会の中で説明があったのでしょうか、伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) 先ほども答弁申し上げたとおり、基本的にはハラスメント対策の言及が行われたということでございまして、事実認否等については、この場ではなかったということでございます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)指定管理者選定委員会での議事録も今要求していますけれども、まだ私の手元には届いていませんが、2人の元職員さんが訴えられているこのことについて、グローからは説明がなかったように今、確認をいたしました。そのままで指定管理者選定委員会で議論がされたということは、私は、県としてどのように考えるのか、非常に問題だと言わざるを得ません。議会に、今回、指定管理者として2つの施設のこの指定管理の判断を求めるというのならば、この件に関して、どのようにグローが説明をし、そして、それはどのように県民に説明がされるべきだと思いますが、この場で私は、このことは明らかにされなければならないと思いますが、再度知事に伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) まず、指定管理者選定委員会における御議論の結果、指定管理を任せることについては了という形でいただいておりますので、4月以降のことも考え、今議会に議案として提案をさせていただいているということでございます。  ただ、ハラスメント対策等については、大変重要な課題でありますので、法人をして、その体制が取られようとしている、その中間報告を県としても求め、確認をさせていただいたということでございますし、法人の最終報告についても、2月末から3月をめどに取りまとめられる予定であるということでございますので、報告があり次第、速やかに御説明を申し上げたいと考えております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)北岡氏は、滋賀県の社会福祉法人グロー元理事長とともに東京の社会福祉法人愛成会元理事でした。北岡氏に対する民事訴訟は、1月14日、東京地裁で始まっていますが、訴訟理由は、北岡氏がグローと愛成会の2人の女性部下に対して、権力を盾に、性暴力やパワハラを長期間繰り返していたことであります。愛成会の対応を知事は御存じでしょうか。(資料掲示) ◎知事(三日月大造) 愛成会の対応というのは、愛成会のハラスメント対応ということで理解をさせていただきました。社会福祉法人愛成会におかれては、法人内におけるハラスメント事案への対応について、同法人のホームページ上でこれまで2回にわたり公表されていると承知をしております。令和2年11月30日付の第1回目の公表では、令和2年4月から実施した内部調査と、その内部調査を踏まえた評議員会開催まで、令和3年1月9日付の第2回目の公表では、理事の改選による理事会の新体制について、以前の経過も含めて説明されていることを確認しております。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)愛成会と、そして、グローの同じハラスメント報道に対する対応に大きな違いがあるというふうに思います。愛成会では、評議員会にて、今ハラスメント事案に関わった理事について審議され、厳正な処分が行われました。現在、執行部の法人改革を行ってまいりますというふうになっています。  一方、グローのほうは、名前は書いていませんが、グローという形で、本係争に関しては一方的な糾弾がなされているというふうに捉えられておられます。  この違いを見ても、グローという法人自ら、この自浄作用が働いているとは思えませんが、自浄作用が働いていると認識をされておられるのか、知事に伺いたいと思います。 ◎知事(三日月大造) まだ、現時点、係争中の案件ですので、この辺りのことについては、当然この一連のハラスメント報道に対してという見解で出されておりますので、この点は一定、この時点において、こういう見解になることはやむを得ないのではないかと思いますが、ただ、重要なことは、相談体制ですとか、そういう被害を訴えられた方々に対して、しっかりと救済なりの措置が取られる体制が整備されているのかという確認を行うことが重要だと思いますので、この辺りのことについて、法人としっかりと課題を共有していきたいと思います。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)今回の議論を通じて、法人としての、グローとしての自主的な調査の結果が、現時点では示されていません。私は、県の関わり方が非常に問題だというふうに思います。調査を行って明らかにし、なぜ指定管理者に、再度、指定管理者として県が任せるのか、どのように対応をこれまでしてきたのか、私は、県民にしっかりと知らせるべきだと思いますが、知事に伺います。 ◎知事(三日月大造) 既に法人のハラスメント対策委員会において調査が実施されており、その中間報告において示された取組については、厚生労働省が示す事業主に求められる措置に即したものであると考えておりまして、改めて県が調査することは現時点では考えておりません。  ただし、その実施状況につきましては確認が必要だと考えておりまして、法人への指導監査において、報告に基づいたハラスメント対応が適切に実施されているのか、また、理事会、評議員会等の内部牽制が機能しているのかを確認してまいりたいと存じます。  なお、司法の場に委ねられた事案の事実関係については、裁判所において判断されるべきものであり、その判断を待つこととしたいと存じます。 ◆45番(節木三千代議員) (登壇)民事訴訟とは別に、県として調査をするべきだというふうに思います。被害に遭われた仮称鈴木さんは、真摯な対応を法人に求めたい、泣き寝入りしている被害者の力になりたい、福祉業界には、改めて組織の在り方や人を大切にすることを考えてもらいたいと訴えておられます。 ○議長(細江正人) 節木議員に申し上げます。質問の発言時間を超過いたしましたので、簡潔に願います。 ◆45番(節木三千代議員) その思いをしっかりと受け止めて対応されることを切に願います。  質問を終わります。(拍手) ○議長(細江正人) 以上で、45番節木三千代議員の質問を終了いたします。  以上で本日の質疑ならびに一般質問を終わります。  明23日は、県の休日のため、休会であります。  来る24日は、定刻より本会議を開き、質疑ならびに一般質問を続行いたします。  本日はこれをもって散会いたします。   午後3時6分 散会    ────────────────...